私、オルガ・ヘプナロヴァー/こうして生きた、そして殺した

人間ドラマ
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私、オルガ・ヘプナロヴァー

Ja, Olga Hepnarova/監督:トマーシュ・バインレプ、ペトル・カズダ/2016年/チェコ・ポーランド・スロバキア・フランス

マスコミ試写で鑑賞。公開は2023年4月29日です。
チェコスロバキア最後の女性死刑囚の物語。実話ベースです。23歳で絞首刑になったそう。白黒映画です。
製作から7年も経ってから日本公開というのはどういう事情なんでしょうね。

あらすじ:生活していました。

ネタバレはありません。

説明が少なく独特のテンポで、たまにオルガ(ミハリナ・オルシャンスカ)が何をしているのかはっきりわからなかったりします。雨が降っているのに洗濯物干したりとかね。まあこれは私の読解能力にも依存するところなので、何も疑問なく観られる場合のほうが多いかもしれません。

オルガは奔放にみえ、孤独を愛し、性的なものを遠ざけます。と思ったら、女性を相手に性的に迫ったりする人です。タバコをふかし、トラックに乗っている。タバコ描写は、ちょっとうーんとなってしまって、なぜならミハリナ・オルシャンスカはたぶん喫煙者じゃないと思うんですね。口元だけで吸っているので。もし、普段タバコを吸わない人に「役作りだから」とか「実際のオルガがタバコを吸っていたから」とかで吸わせているとしたら、それは良くないよねと思います。登場人物でタバコを吸う人は多いです。妊婦も吸っているし……。妊婦の喫煙に関しては、この映画の舞台が70年代だから、時代が違うのでという理由はありそうです。あんまり映画の中の喫煙描写に敏感ではない方ですが、今作はどうも気になりましたね。

母親は医者っぽくて、オルガに薬を処方しています。診察をするわけではなく、オルガがのぞむ薬を言われるままに処方するだけ。父親には少し心をひらいているように見えるオルガですが、本当に心の内を明かせる人はいませんでした。

自分のことをサイコパスと言い、精神病院に入院したがる彼女のようすから、確実になにか心の病を抱えているようにみえ、しかしその正体をつかむことは困難です。読めない人だなと思っていたら、ちょうどいいところで手紙を書くシーンがはさまれて、オルガの生育歴や気持ちなどが語られ、親切……ってなりました。よくわからないシーンはあれども、語ることがあまり多くない主人公の心のなかを、手紙によって知ることができるというのは映画としてとても易しいなと思いますね。

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