セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転進/第二の人生

SF
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セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転進

Seconds/監督:ジョン・フランケンハイマー/1966年/アメリカ

DVDで鑑賞。『バルタザールどこへ行く』(1966年)を貸してくれた友人が「これは趣味」と言って渡してくれたもの。

あらすじ:別の人生を生きます。

ネタバレしています。注意書きはありません。

銀行員のハミルトンは、駅で見ず知らずの男に、住所が書かれた小さな紙を渡されます。「ウィルソンと名乗ってその住所へ行け」と言われたハミルトンがその場所を訪ねると……。

ハミルトンは自分を社会的に殺し整形手術を受け、ウィルソンという画家へ生まれ変わります。何もかもすべて用意されており、残りの人生を趣味に費やして生きることができるのです。えっうらやましい。何不自由なく「ウィルソンの人生」を生きるはずのウィルソンでしたが、「やっぱりこの人生じゃない方がいい……」ってなってしまうんですね。それでもう一度手術を受けようとするわけ。でも、そんな都合のいい話はないよね。

そう、都合のいい話はないんですよ。人生は一度きりしかない。ある程度歳をとってから、まったく他人に生まれ変わることなんてまず無理です。整形して人生変わる人はいるとは思う。TikTokによくいる。でも私が言いたいのはそういうことではなくて……わかってくれますか。顔が変わっても、中身は変わらないからね。

ウィルソン(ハミルトン)の場合、最初の一歩がわりと受動的にみえるというか(これには理由があるわけですが)、まあ言っちゃうと仕組まれたわけです。この仕組み方なかなか用意周到だなって思いました。で、仕組まれたとはいえ、強制されて手術をしたわけではない、今の自分を殺すことには納得してサインまで書いているからね。

私、この映画立て続けに2回観ました。自宅鑑賞のいいところだよね、続けてもう一度観られるのって。で、2回目観ると、最初の電話のところから、ハミルトンが仕組まれちゃっているのわかるんだよね(もちろん1回でわかる人のほうが多いとは思う……)。そうするとニヤニヤして観られて楽しかったな。ウィルソンのパーティでの大失態とかもね、周りの反応がしらっとしてるのが単純に面白いし。おすすめですよ。

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