HOW TO HAVE SEX/最初の相手がアイツでいいの?

コメディ
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HOW TO HAVE SEX

How to Have Sex/監督:モリー・マニング・ウォーカー/2023年/イギリス・ギリシャ合作

マスコミ試写で鑑賞。公開は2024年7月19日です。

あらすじ:夏休みにセックスするぞ!

ネタバレはありません。

タラ(ミア・マッケンナ=ブルース)、スカイ(ララ・ピーク)、エム(エンバ・ルイス)の3人は、卒業旅行でクレタ島のリゾート地へやってきます。


3人の中でひとりだけバージンであるタラは、滞在中に初体験を果たすべく、期待を胸にクラブへ出かけるのですが……。

私やあなたが普段「陽キャ」とか「一軍」とか言って忌避する、あるいは劣等感を抱くタイプの人たちが多く出てきます。主人公3人組は、ホテルでたまたま隣の部屋になったバジャー(ショーン・トーマス)、パディ(サミュエル・ボトムリー)、ペイジ(ラウラ・アンブラー)の3人組と仲良くなります。ペイジはレズビアンです。

映画の感想のために自分がティーンエイジャーだったころの性事情を明らかにする必要はまったくないので書きませんが、私にはなかった青春があるな、と思うと同時に、「あー、わかるわ……」という、ちょっと苦い気持ちになるような親近感もありました。特にタラは、セックスに関して夢を見ているっぽいところがあるように思えます。私には彼女が「セックスは、誰かと想い合い、心が通じた先にある行為」だと思っているように受け取りました。でも、それってかなり幸せなセックスだと思うんですよ。そんなの、子供同士のセックスではめったにないと思うんです。セックスしたって、大人になれるわけじゃない。大人になったからって、セックスするわけでもないように。

最初の方は、『ピラニア3D』(2010年)でパーティやってた子たちみたいでもあるんですよね。例えが『ピラニア3D』しかなくてすみません。好きなので。ああいう映画では、性的に盛り上がっている人たちはほとんど死ぬけどね。ほとんどでもないね。全員死ぬ。

また、TikTokでよく見る海外の動画で、クラブに入る直前のテンション上がった男女にインタビューし、「今日は何人の女の子と話すつもりなの?」「50人!」などと盛り上がっている様子を見せた直後に、クラブの中で所在なさげにお酒の入ったプラカップを持って死んだ眼をしているその人を映す、というものをよく見るのですが、なんかね、前半だいたいそんなかんじでした。どういうワードで検索したらクラブのビフォーアフター動画が見られるのかわかんないので貼れないのですが……。

多分、この映画で描かれるほとんどのことは、比較的多くの人たちが共感できる作りになっていると思うんです。『花束みたいな恋をした』(2021年)で描かれた、サブカルあるあるっぷりに共感した人が多くいたように。

相手にとっては1,000回のうち1回のセックスかもしれないけど、こちらにとっては初めての1回だったりするわけです。遊び慣れている、って思ったでしょ? だって、その方が適当にできるから。あー、みんな、幸せなセックスをしてほしいなあって思いましたね。けっこうグサグサ来ますが、おすすめです。男性側から観てもグサグサ来るようなので、男女問わずみなさん、ひと夏の思い出にどうぞ。

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