インサイド・ヘッド2/思春期がやってきた!!

アニメーション
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インサイド・ヘッド2

Inside Out 2/監督:ケルシー・マン/2024年/アメリカ

新宿ピカデリー スクリーン1 H-14で鑑賞。今日は前夜祭でした。公開は2024年8月1日。吹替版です。

前作の感想は↓
インサイド・ヘッド/誰にでも共感される物語として成功できる理由について | * FRAGILE
私は前作がとても好きなので、今回ちょっと、からめかもしれません。あと、途中で監督が前作と違うかなって思いながら観ていたら、そのとおりでした。前作の監督は製作総指揮と声の出演に入っています。

あらすじ:ライリーに思春期が訪れます。

ネタバレしています。注意書きはありません。あまり褒めていないので、褒める感想が好きな方は読まないでください。

13歳になったライリーは、ホッケーに打ち込んでいました。合宿に誘われたライリーは、3日間、家を空けることになります。


出発の日、思春期が訪れてしまったライリー。ヨロコビを筆頭とする彼女の感情たちは、突然現れたシンパイたちに司令塔から追放されてしまい……。

先に総評として書いておくと、悪い映画ではないです。演出がかなりダイナミックになっているし、「もともといた感情たちも大切だけれど新しく現れた感情たちも大切なライリーの一部である」という描き方はとても納得がいきます。誰のことも排除しない、みんな尊重すべき大切な存在である、と。ただ、私のこの書き方でなんとなく察することができるかと思いますが(これを言ってしまっては身も蓋もないけれど)、前作には及ばなかったです。

前作のラストで、続編があることは容易に想像できていたしとても楽しみにしていたので、ちょっとだけ残念でした。観ている間、私の感情があんまり揺らがなかったんですよね……。受け入れられないというわけでもなく、なんか、スーッと水みたいに染みていきました。匂いも味もなくて、不快感もないけれど、あとになにか残ることもないっていうかんじ。書き方が急にわかりにくいな。

前作で細やかに描かれた感情表現については、キャラクターが増えたことにより若干大味になっていると感じました。今作で増えたシンパイがメインに据えられていてキャラも立っているので、ハズカシとかダリィとか、あんまり強い印象が残らないんですよ。ダリィのデザインは私、すごく好きです。かわいい。でも、イイナーなんて特に、ほぼ「いる」だけという印象でした。シンパイがけっこう万能タイプで、ライリーに負の感情を与えるけれども、そのおかげで危機回避できたりするので、暴走さえしなければ彼女に任せておけば良いんじゃないと思っちゃうところあります。

また、前作の感想にかなり詳しく書きましたが、前作は主語を大きくしても対応できる普遍性があったんですよね。今作はライリーの個性についての物語になるので、前作のような感じではまったくないと思います。また、カナシミが途中で無力化されてしまっていることについては、ちょっといただけなかったかな。さきに、どの感情も排除しないって書きましたけど、カナシミは途中居ないんですよね(ひとつの記事で逆のこと書いてますが、記録なので残しておきます)。

それでも、最後にライリーがヨロコビとともにホッケーをプレイするところなどは多幸感があって良かったし、誰でも通る道であるところの思春期の描き方も、面白みはあると思います。ヨロコビら古株の感情たちが司令塔を奪還するために奮闘することについても、素直な気持ちで観れば応援できるし楽しい描写でした。それなのに、なんでこんなにひっかかるんだろう……。

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