箱男/穴から世界を見つめている

邦画
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箱男

The Box Man/監督:石井岳龍/2024年/日本

マスコミ試写で鑑賞。公開は2024年8月23日です。初石井岳龍安部公房の原作も未読という、恥……。

あらすじ:箱を被って生きています。

ネタバレはありません。

わたし(永瀬正敏)は、段ボールに穴を開けたものを被って街をさまよっています。


にせ医者(浅野忠信)は、軍医(佐藤浩市)の面倒をみながら、葉子(白本彩奈)を利用して、箱を奪おうとしていました。

なにせ原作を知らないので、元がどういう話なのか、どういう評価をされてきたのかもよくわからないのですが、異様な思いを抱えている男たちが美女に翻弄されつつ本懐を遂げようとしているさまを観ていると、結局そこに介在するものとしてあるのが「女」なのか、とも思うんですよね。そもそもその「本懐」がなんであるのかを見極めるのが非常に難しく、というのもやはり異様さが際立つからで、簡単に言うと何をしているのかわかるようでわからないなという感想になります。どこからどこまでが創作(希望)で、どこからどこまでが現実であるかがわかりにくいからです。ただ、もともとがわかりにくい原作なのだろうというのも容易に想像ができるし、映画の中で起きる物事はすべからくわかりやすくあるべき、とも思わないです。みんな死にたいのかな。

最後の方はだいぶわかりやすくなっていて、それは私がこの映画に慣れたのかなとも思いますね。変わった味がする異国の料理という感じでした。

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