第5惑星
ENEMY MINE/監督:ウォルフガング・ペーターゼン/1985年/アメリカ
こちらの記事は、2010年に書いた、第5惑星(ENEMY MINE)/わたしたち、仲良くできないの? | 映画感想 * FRAGILE を一部加筆修正して転載したものです。
あらすじ:2085年、人類はドラコ星人と宇宙戦争を繰り広げていた。
※感想というか、長いあらすじです。ネタバレしています。注意書きはありません。
未開の惑星に不時着した地球軍のダビッジ(デニス・クエイド)とドラコ星人のジェリバ(ルイス・ゴセット・ジュニア)。はじめは争っていたふたりでしたが、厳しい環境の惑星で協力し合い生活するうち、次第に友情が芽生え始めます。
『第9地区』(2009年)も『エイリアン・ネイション』(1988年)もそうなんだけれど(こういう設定の映画は他にもいっぱいあるけれど)、異なる文化を持ちいがみあう種どうしでも、認め合って理解し合おうという気があれば、最低でも個人間ではうまくやっていけるっていうことがさ、こうやって繰り返し映画にされているにも関わらず、現実に与える影響が少ないように思うよ。エイリアンものじゃなくても、『グラン・トリノ』(2008年)や「フローズン・リバー』(2008年)もおおまかには同じなんだよね。いや、そもそも同じ文化をもつ者どうしでもいがみあうんだから、映画から学んだことを日常生活に反映していくのは無理なのかな。
と感傷的になったあたりで、ダビッジはジェリバとのサバイバル生活に嫌気がさし「このままでは気が狂うかお互い殺し合うから、ちょっと出てくわ。誰かいるかもしんないし」と言い残して家を出ていきます。やっぱりダメなの? 私たち、仲良くできないの?
ダビッジは、不毛の地をえんえん歩いていくうち、ペプシの缶を見つけます。やった! 人間がいる! と喜んだのもつかの間、見ちゃいけないものを見ちゃったので、ジェリバにどう言い訳しよう…などとグダグダ考えつつ家に戻ります。
ジェリバは「帰ってきてくれたのね! 実は私、妊娠してるの」と爆弾発言をかまします。「俺、父親じゃねーよ!!」とダビッジが爆笑していると、ジェリバは「私たちは雌雄同体で、時期が来ると勝手に妊娠するんです」と言い出します。そして「あなたたち人間みたいにオスメス分かれて、一瞬の快楽のためにセックスするようにはできてないんです!!!」と、種の違いだからしょうがないじゃん、解るでしょあなた賢いんだからそれ言っちゃだめですよ。さすがにイラッときたダビッジはキレかけますが、相手は妊婦です。ぐっとこらえて体をいたわります。そしてジェリバは子を産みますが、いろいろあって退場してしまい、残されたダビッジは子育てすることに。
「言葉や宗教や文化や家系のことは全部教えてくれたのに、子育ては教えてくれなかったじゃん! どうすりゃいいの! ああー赤ちゃんが泣いている……」
ダビッジは超苦労しながらも、すくすく育つジュニアと仲良く暮らします。ジュニアは「ぼくの指はどうして3本なの? ぼくもおとなになったら5本になるの?」と、超無邪気に説明しづらい質問を投げかけてきます。ジュニアかわいいよ。
さて、冒頭に「異なる文化を持ちいがみあう種どうしでも、認め合って理解し合おうという気があれば、最低でも個人間ではうまくやっていける」と書きましたが、『第5惑星』は映画なので、個人間の関係が結果的に全体に影響を及ぼします(こう書くと「きみとぼく」の関係が「世界」につながる、セカイ系っぽい気もしますが、たぶん違うと思います)。現実ではまずこのようなことは起こらないだろう、とションボリした気持ちにもなります。私たち、仲良くできないの?


