アナザーラウンド/酒の失敗が骨身に染みる歳になったのだ

人間ドラマ
この記事は約4分で読めます。

アナザーラウンド

Druk/監督:トマス・ヴィンターベア/2020年/デンマーク

この記事は2021年に書いたアナザーラウンド/酒は呑んでも飲まれるな | 映画感想 * FRAGILEを修正し転載したものです。

新宿武蔵野館 スクリーン1 H-6で鑑賞。昔の友達で、会う約束をしていても雨が降るとそれを理由にドタキャンする子がいて、気持ちわかる、私も雨が降ったら外出たくない。今日は少し降っていて、でもマッツ・ミケルセン観るためならばという気持ちでがんばって映画館行ってえらい。お酒買って帰ってきたから呑みながら書くね。

あらすじ:ちょっと酔ってるといい感じになるらしい!

ネタバレしています。注意書きはありません。

観る映画と決めていたので予告は観ていなかったのだが、さっき見てひっくり返っちゃった。予告から想起する映画と全く違うもん。でも、こうでもしないとお客さん入らないと判断したのだろうからしょうがないね。たぶん予告先に観ていても、思ってたのと違ってがっかりみたいなこともないだろうし、意外な映画だったね、ってなるんじゃないのかな。わからないけど……。これから観る人で、まだ予告観てなかったら、情報入れずに観たほうがいいと思う。コメディだと思っちゃうからね。あらすじ(血中アルコール濃度が0.05%だとめっちゃいろいろ調子良くなるらしいから実験しようぜっていうの)もコメディっぽいしさ。でもこれコメディじゃないと思ったからカテゴリは人間ドラマにした。

笑えないのよ、ギャグがすべってて笑えないという意味じゃなくて、染みてくるのよ、酒の失敗私もあります! だから最近お酒飲まないようにしてるもん。酔ってる状態が気持ち悪いからっていうのもある、状態変化の魔法かけられてるみたいで。

お酒がどうして年齢制限かかってるかって、成長に悪い影響があるからとか、依存性が高いとか、もう単純に酔うとなにするかわかんなくて危険だからとかいろいろあると思うんだけど、これさ、成長にかんしてはともかくとして、依存性や酔った勢いの失敗は、大人になればなるほど深刻になると思うのね。大丈夫かな、文章書けてるかな。伝わるかな。

なんか『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(2009年)みたいな売り方してるじゃない? これほんとぜんぜん違うからびっくりするよ。胸がギュッと痛くなるような出来事も起きるから。トマス・ヴィンターベア監督作品って実は『光のほうへ』(2010年)しか観たことなくて。そう、『偽りなき者』(2012年)観てないのよね。『光のほうへ』がだいぶんビターな映画だったから、それを思うと今作もこういう感じなの納得だわ。ラストカット最高よ。いいところで切るのよ。うまいわ。

途中で仲間のうちの一人が死んじゃうんだけど、ここの演出がすごくよくて、ほのめかすだけなのね。死ぬところ直接描かない、すぐ葬式シーンに変わって「あーやっぱりか」ってなる。マッツ・ミケルセンは家庭が崩壊しかけるんだけど(マッツが声を荒らげるシーンがあって、びくっとする)、彼にとってお酒を飲むことがすでに現実逃避になってしまっているとわかるんだよね。実験だった、いいかんじをキープできたら良いと思ってた、でも、飲まれてしまった。この映画観てお酒辞める人ももしかしたらいるかもしれないなあ。私は今呑んでるけどね。酔ってる状態ってやっぱり「普通」じゃないのよ。危険なものなのよ。お酒、規制したほうがいいんじゃない? って思っちゃう。人生が壊れる可能性ある。なんでこんなものが合法なんだろう……。私は今呑んでるけどね。

タイトルとURLをコピーしました