さかなのこ
監督:沖田修一/2022年/日本
こちらの記事は、2022年に書いたさかなのこ/将来の夢は、なんですか? | 映画感想 * FRAGILEを一部修正して転載したものです。
TOHOシネマズ新宿 スクリーン1 I-1で鑑賞。さかなクンをのんさんが演じるということで、よくわからなかったので確かめるために観に行きました。そしたらこれがもう……まさかの泣いた……。原作は未読。さかなクンが帽子を脱いだ姿が見られます。貴重! 魚への愛が溢れていて、それだけでもうやられてしまったよ。帰りに海鮮丼食べた。
あらすじ:魚が大好き。
※ネタバレはありません。
『さかなのこ』観た。泣いた。セリフにちょうど良いおかしみがあって、クスクス笑える感じ。キャスティングが謎だったし、子供の頃から女の子がミー坊を演じているので、もしかしてこの映画はさかなクンの性自認を明らかにする意図があったのかなと思ってしまった。さかなクン、ノンバイナリなの? pic.twitter.com/z8jb5WuPCD
— ナイトウミノワ (@minowa_) September 2, 2022
セリフの細かいところに気を配っているのが感じられて、普通の会話っぽいのに可笑しさがあるのがすっごく良かった。演出も良かった、というか、全体的に悪いところがあんまりない気がする。隣に座っていたお兄さんは、ほとんどずっと笑ってたよ。おかしみのあるセリフって、大袈裟にやると悪目立ちしちゃうと思うんだけど、どの俳優さんも、自然な感じを保ちつつ笑わせてくるからすごかった。元からみんな演技がうまいのか、演技指導が良かったのかまではわからないけどね。
スタジオとかのロゴが出た直後に「男か女かはどうでもいい」みたいな文章が出て、ん? 確かインタビューで監督が「さかなクンの物語を描くとき、性別は関係ないと思った」とか言ってたな〜って思って、なんだろうな、インタビューで言うのはわかるが、本編前に一文を入れる理由って? って思いながら観てたのね。
物語は小学生の頃から始まるんだけど、ミー坊(西村瑞季)は周りの子たちから「男」として認識されているの。この映画、さかなクンの物語なのに、さかなクン役の人はミー坊って呼ばれるんだよ。それでまた面食らって。この世界の設定はどうなっているんだろう? って。近所に住んでいる魚好きのギョギョおじさん(さかなクン)の存在もまた謎でさ。原作読めばわかるのかも?
それで私が思い当たってしまったのが、さかなクンの物語をのんさんが演じること自体に大きな意味があって、それはさかなクンの性自認と関係あるのかな? って、一度そう思うと、最後までそういうふうにしか見えなくて。冷やかし程度の気持ちで観に行った自分を恥じた。のんさんの演技初めて観たがめちゃくちゃうまいね、みんなが知っているさかなクンを演じるときのさかなクンっぽさが胸にぐっときて泣いてしまった。泣かせに来ているわけではないと思う。ただそこにさかなクンがいる、ということだけで泣いてしまった。
子供の頃の夢が叶うことって、ほとんどないと思う。「好き」という気持ちだけでは、なし得ないこともたくさんある。でも、さかなクンはやってのけたんだ、好きな気持ちだけで、今、ここにいるんだ、と思うともう、もうねえ、泣くでしょ。
ちなみに、私の子供の頃の夢は「主婦」でした。これは私の母がとても楽しそうに日々を送っているのを見て、母のようになりたいと思ったから。きっと大変だったろうけれど、私の両親は喧嘩してるところとかを子供に絶対見せなかったので、ロールモデルとして完璧だったんだと思うんだよね。でもさ、なれないわ、主婦、もうなれないわ。夢って、ほとんどの人は叶えることができないんだね。


