※この記事は、2011年2月26日に書いた「「ソウ」シリーズ/ジグソウさんは教祖でした | 映画感想 * FRAGILE」を少し直したものです。痛そうな表現が苦手な方もいらっしゃるので、痛い写真は載せていません。元記事には載せています。ようやく2024年10月18日に『ソウX』が公開になるため、10年以上前に書いた記事をこちらで保存しておこうと思いました。
※ネタバレしています。注意書きはありません。
ソウ
SAW/監督:ジェームズ・ワン/2004年/アメリカ
あらすじ:ジグソウさんの死んだふり。
みんなの好きなシリーズ1作目、私も公開当時見に行きました。実はどこかで関係のある人どうしを閉じ込める・説教くさい・準備がたいへんな仕掛け・えっあなたが犯人ですか?! という、シリーズの基盤を作った映画ですね。しかし、ここで出てきた「ジグソウは最前列で観るのが好き」という設定だけは、2以降まったく無視されるのでした。っていうか、あとのシリーズのどこかで出てきた準備シーンを見ると、ジグソウさん薬で寝てたので、1からしてその設定が実は放棄されてたんですよね。
あと、外科医が足を切って出て行ったすぐあとに、ジグソウさんがむっくり起き上がって「ゲームオーバー」ってかっこつけて言い放って同じ扉から出て行くんですけど、あのようすではジグソウさんすぐ外科医に追いつくんじゃないのって思いました。その疑問はファイナルで回収されるわけですが……。
シリーズ途中で監督が代わりながらも、テイストを保っているのはすごいと思います。毎回ラストでフラッシュ編集になって、「毎回最後が予告みたい…」と思ってましたけれど、途中から水戸黄門の印籠みたいな気持ちで見ていましたね。チカチカしはじめたらそろそろ終わるよ。
ソウ2
SAW II/監督:ダーレン・リン・バウズマン/2005年/アメリカ
あらすじ:人数を増やしてみた正統派続編映画。
刑事に居場所をつきとめられながらも、しらを切り通すジグソウさん。肝っ玉。閉じ込められた人たちのほうは、バカマッチョがほんとうにバカすぎてどうにもこうにもですね。みんな神経ガス吸っているので、物語が進むにつれてどんどんどんどん具合が悪くなります。ジグソウさんも具合が悪く、出てくる人がみんなふらふらしている映画になりました。
ジグソウさんの説教臭さと逆恨みっぷりに、私のイライラはどんどん募ります。まさか、こんなイライラするジグソウさんのことを愛らしく思うときが来るなんて、2を見ているときの私には想像もつきませんでした。
ソウ3
SAW III/監督:ダーレン・リン・バウズマン/2006年/アメリカ
あらすじ:だだをこねるジグソウさんと、嫉妬に狂うアマンダさん。
「手術するのじゃ。病院には行かないのじゃ。わしが死んだらお前も死ぬのじゃ」と、めんどくせえ老人になってしまったジグソウさん。超具合悪いです。もう死にかけ。そして、1と2での生還者・アマンダさんがせっせとお世話しています。ジグソウさんはまたまたアマンダを試すことにしました。どんだけだよ。アマンダは自傷癖がまったく治っていないようなので、ジグソウさんに許してもらえないんでしょうね。
そして執刀医として連れてこられた女医さんですが、まったく気の毒なことでございます。まともな設備も整っていないのに開頭手術とかまじ無理いいすぎだわー。ひどいわー。でもがんばった。
脳味噌つっついたらジグソウさんがホンワカしちゃって、女医に向かってまちがって「あいしてる」とか言っちゃって、それを聞いたアマンダが鬼のような顔しちゃって、もうたいへんです。脳味噌つつかれてようすがおかしくなるのは主に被害者のほうなのに、まさかの殺人鬼が……ですよ。おもしろいなあ。
ゲームのほうは、人を許せるか? というテーマなんですが、思い悩みつつ許しつづけるヒゲの人が良かったですね。仕掛けのほうも、趣向を凝らしてあってたいへんよいです。シリーズ中ゆいいつのおっぱいもあります。それから、腐った豚をミキサーにかけて人の上に注ぐゲームはえげつなくて良いですね。こちらもシリーズ中いちばん俳優にとって過酷な撮影かと思います。がんばった。
ソウ4
SAW IV/監督:ダーレン・リン・バウズマン/2007年/アメリカ
あらすじ:「えっ、あの人が?」というラストを踏襲しようとしすぎてメチャクチャに。
ジグソウ、アマンダ死亡により、先が続かなくなってしまいます。ということで、新しい人を投入してみましたーってオイ! だめ! それはだめ! 急に出てきた人のことを「犯人は実はこの人でしたー! どう?」って言われても、どうにもこうにもですよね。
ただ、今回のために半年間監禁されていましたというとってもかわいそうな2の刑事が氷で頭をバシャーンってやられるところと、レイプ犯が四肢切断されるところ、DV被害者の奥さんが半ば発狂しながら身体に刺された串を抜くところなど、ゲームのほうは結構良かったです。
ソウ5
SAW V/監督:デヴィッド・ハックル/2008年/アメリカ
あらすじ:メチャクチャやってしまった4の後始末。ジグソウ思い出たどる旅。
3が面白かったのに4のひどさで心が折れそうでした。一旦休憩してがんばりました。映画の方は、大きな話の筋は4の後始末という感じでしたね。ホフマンはジグソウさんの跡を継ぐには華がなさすぎます。ホフマンあやしいぜ、と捜査していた捜査官は、水攻めに遭うも自ら喉を刺し根性で生き延びました。えらい。でも最後でぷちゅっと潰れました。残念。
ゲームのほうは、最初のオールドスクールな振り子ギロチンでの切株っぷり、5作目にしてようやく出てきた首ちょんぱ、爆死で内臓べろんべろん、腕真っ二つ、圧死のときに腕が折れて骨が飛び出すところとか、なかなかゴア描写が多く良かったですね。バスタブで電気を流すところはさ、「ひとりに強い電流を流すんじゃなくて、みんなの身体にちょっとずつ電流を流して、我慢したらよかったんだ!」って言ってましたけど、あのー、電気ってそういうものじゃあない気がするんですが、どうなんでしょうか……。
ソウ6
SAW VI/監督:ケヴィン・グルタート/2009年/アメリカ
あらすじ:被害者同士の醜い争い。
なんといっても、ショットガンカルーセルでの被害者同士の醜い言い争いが最高です。
「助けて!」「あいつは会社のカネを横領してたんです!」「私、妊娠してるんです!」「嘘だッ! 糞ビッチ!」「今まで一生懸命働いてきました!」「こいつはあなたの席を狙ってるんです!」まあ、醜い!
2あたりから、だんだんお化け屋敷的になってきていましたが、今回はもう完全にアトラクションでしたね。迷路のところとか、嵐のバラエティ番組みたいでした。
ジグソウさんの保険屋に対する恨みつらみと逆恨みっぷりも大変なものです。シリーズ最初のうちは、ジグソウさんがいちいち説教臭くてほんとイライラしましたが(あと、ただ仕事しているだけの人とか、すでに刑期を終えた人とかをゲームに参加させるのはかわいそうだし)、ジグソウさん亡き後はホフマンの調子こきっぷりにムカムカしていたため、回想シーンでジグソウさんが出てくるとなんとなくほっとするようになってきていたのでした。
ソウ ザ・ファイナル 3D
SAW 3D/監督:ケヴィン・グルタート/2010年/アメリカ
あらすじ:伏線、全部回収します!
広げちゃった風呂敷と、なんとなく次に使えるかもしれないと思ってとっておいたアレやコレの説明をつけましたよ。まさかの外科医大復活。
6での醜い言い争いが、今回もまたあります。冒頭のトンデモ公開処刑です。二股かけてた女と、二人の男が公衆の面前で切るか切られるかのせめぎあいです。
「あなたのことを愛しているの!」「ほんとか? じゃああいつを殺すぜ!」「おい、俺のことは好きじゃないのかよ!」「あっ、ホントはあなたのことが好き!」「こらクソビッチ!」「なあ、あんな女のことほっとかね?」「よっしゃ」思いがけず友情が芽生える瞬間だね。
ゲームの被験者は、ジグソウゲーム生還者のふりをしてお金儲けをしていたせこい奴です。仲間がとらわれているので、がんばって助けましょう。めんたまブッ刺しとか、釣り針と鍵がついた糸を飲み込まされているので声を出さないように引っ張り出せとか、目隠しされて高いところにいる人を誘導しろとか。ちょっと地味めなんですが、最後の最後がよかったですね。伝説的な拷問器具・ファラリスの雄牛ですよ。見た目は豚ですが。しかも、最初はなんでもなかったのに自動でがしゃこーんと組み立てられるんですよ。大掛かりだな!
足を切って生き延びた外科医に対するジグソウさんの献身的な介護っぷりは、なんだかキルゴア中佐を思い出しました。「はらわたをぶちまけるまで戦った奴には俺の水をくれてやる」うん。
ジグソウさんの場合、「人生変わったか? よし、お前も今日から俺の仲間だぜ!」でだんだん仲間を増やしていきます。おじいちゃん、ガンを克服して生き延びていれば教祖になれたよ。
というわけで、実は1の時点でかなりの人数が関わっていたんだよね、という、続編を作ることを考えずに始まったシリーズが後出し後出しで続けられてきたのを、なんとかしてきれいにまとめたラストとなりました。めでたい。
では、一連のジグソウ事件を時系列に並べてみます。
ジグソウ事件年表
メインのゲームは赤字です。
- ジグソウの奥さん・ジルが、ジャンキー男・セシルのせいで流産する。/4
- ジャンキー・アマンダがセシルをそそのかす。/ファイナル
- ジグソウ、ガンになる。/6
- 保険に加入できず、イライラするジグソウ。
- ジグソウ、崖から車ごと落ちて自殺をこころみるも失敗。/2
- おれは残りの人生を正義の為に生きるんだと誓う。
- 縛り付けられたセシル。顔をナイフで切り刻め。/4
- リストカット依存症の男がカミソリ檻に閉じ込められる。/1
- 可燃性のなにかを全身に塗られたまま、ろうそくを持って金庫の番号を探せ。/1
- アマンダが顎破壊マシンにかけられる。/1
- 生還。人生変わった。
- こめかみドリル。鍵を探せ。/1
- 振り子ギロチンでお腹をかっさばかれたくなければ両手を潰せ。/6
- ジグソウを真似たホフマンのしわざ。たぶんこの時期。
- ジグソウゲーム生還者のふりをしている男のサイン会/ファイナル
- たっぷり嫌味を言うジグソウ。たぶんこの時期。
- ジグソウ、ホフマンを叱る。/5
- でもこいつは力仕事に使えるかもとスカウトする。
- ホフマン、アマンダがジグソウを手伝い始める。
- DV男と被害者の女を電ノコの上に吊るす。/ファイナル
- たぶんこの時期。大掛かりなのでホフマンがセッティングしたんじゃないか。
- 外科医とカメラマンが閉じ込められる。外科医、足を切って生還。/1
- 瀕死のカメラマンをアマンダが殺す。/3
- 外科医の奥さんと子供を殺せば解毒剤がもらえる。/1
- 外科医がジグソウに助けられ、ジグソウを手伝い始める。/ファイナル
- 目の中に鍵があるからがんばって取り出せ/2
- 男女7人と子供1人、脳の後ろにオーバー・ザ・レインボー/2
- 毒ガスでふらっふら。首のうしろに数字が書いてあるよ。バカマッチョが暴走。注射器穴とか焼却炉とか。アマンダ、ふたたびのゲーム参加。
- 閉じ込められた子供の親である刑事、ジグソウの話をひたすら聞く。/2
- 刑事、がまんならずジグソウを殴る。1のバスタブ部屋に閉じ込められる。足をくだいて逃げ出そうとするがアマンダにとっつかまる。/2
- 刑事、片足が死んだまま半年間監禁される。おそらくシリーズいち不幸な人。/4
- 身体につながれた鎖をひきちぎれ。/3
- ホフマンの単独犯。
- 女刑事があばら破壊マシンにかけられる。/3
- ホフマンの単独犯。
- ジグソウさんの容態がいよいよ悪化。/3
- ジグソウの手術を成功させろ。/3
- 女医、がんばって手術。アマンダが女医に激しく嫉妬。
- ヒゲの人は、事故で死んだ自分の息子と関係のある人たちを助けられるか?/3
- 凍死、豚ミンチ、手足頭ねじきり。すべてあと一歩で手遅れ。
- アマンダ、嫉妬に狂って女医を撃つ。/3
- 女医を殺してはいけないというゲームだったが失敗。ホフマンがアマンダを脅していた。
- ヒゲの人は女医の伴侶だった。ヒゲ、ジグソウを殺す。女医、爆死。大失敗。
- 奥の部屋でホフマンがFBIを待っている。/ファイナル
- アマンダ死亡。/3
- FBI、ヒゲの人を射殺/4
- ジグソウの胃の中からカセットテープが出てくる。/4
- 目を縫われた人と口を縫われた人/4
- 黒人刑事があちこち行って人が死ぬのを見守る。/4
- 頭皮剥がし、四肢切断、刺さった矢を抜いて出血多量。
- 女FBI捜査官、ジグソウ人形見てたら大怪我/4
- 鎖で吊るされ氷の上に立たされた人(2で出てきた刑事)と、椅子に縛り付けられた人(ホフマン)、それを見守る人/4
- 黒人刑事がやってこなければクリアだったが失敗。ホフマン独り勝ち。
- ホフマン、調子にのる。/4
- 頭に水槽をつけられたFBI。喉を刺して生還。/5
- 5人の男女。/5
- 首ちょんぱ、釘爆弾、電気ビリビリ、腕を切って血を溜めろ。全員で協力し合えばクリア。もちろん失敗。
- ガラスケースに入るか入らないかの選択を迫られる刑事(喉を刺して生き延びた人)。/5
- 入らなかったので圧死。またしてもホフマン独り勝ち。
- ベニスの商人。/6
- 保険屋サンが痛い思いをしながら人を助けたり助けなかったり。/6
- 窒息、絞首刑、スチーム迷路地獄、ショットガンカルーセル。
- ホフマン、ジルに顎破壊マシンをつけられるが根性で外す。/6
- ホフマンにおいかけられるジル。警察に逃げ込む。/ファイナル
- 公開処刑で胴体真っ二つ/ファイナル
- 自動車発進で頭が潰れたり内臓とびちったり。/ファイナル
- にせのジグソウゲーム生還者におしおき。/ファイナル
- 痛い思いをして友達や奥さんを助けようとするけどだいたい失敗。目潰し、首串刺し、絞首刑、ファラリスの雄牛。
- ジル、ホフマンに顎破壊マシンをつけられ死亡。/ファイナル
- ホフマン、外科医にとっつかまる。/ファイナル
- 1で出てきた部屋に閉じ込められる。


