KIDDO キドー
Kiddo/監督:ザラ・ドヴィンガー/2023年/オランダ
マスコミ試写で鑑賞。公開は2025年4月18日です。
あらすじ:オランダからポーランドへ逃げます。
※ネタバレはありません。
オランダの児童養護施設で暮らす少女・ルーのもとへ、ある日、ハリウッドで働いているという母・カリーナがやってきます。カリーナはルーを施設から連れ出し、古い車に乗せて、ポーランドに住むおばあちゃんのところへ向かうのでした。
この映画は、軽犯罪を繰り返しながらポーランドをめざす母娘のことを温かい目で観られるかどうかにかかっているようにも思います。カリーナは自分とルーのことを「ボニー&クライドだ」と言うのです。親子関係を、恋人同士だった犯罪者に例えるのは、なかなか奇抜だなと思います。
ちょっとざらついた、異国から来たポストカードのような映像の質感が独特だなと思います。画面に文字が出てきたり、動きに効果音がついたりするところに関しては好き嫌いがあるだろうなと思いました。意図としてはおしゃれにしたいっぽいのかな、私は、効果音をおしゃれだと思えず、「トロマ映画みたいだな〜」などと観ていました。別にチープな感じがするというわけではなくて、こういうときに例えに出せる作品がトロマ映画しかないというだけです。まあまあ好みの問題ですね。
終盤、ルーがカリーナに投げかけた言葉がとても気になりました。子どもだし、そういうことも言ってしまうかもしれない、でも、言われた方はたまったもんじゃないだろうなと。なんとなく、カリーナが子どもの頃に母親から言われてきたことと同じことをルーに言われたのかもしれないなとすら思います。身内から自分への評価がそれだと、言われる方はけっこうきついもんですよ。たぶんね。だからラストにも私は納得感しかありませんでした。
手触りが似た映画だと『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(2017年)かなと思うので、ぴんときた人はぜひご覧ください。