ネムルバカ/叶えなよ、あんたの夢だろ

邦画
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ネムルバカ

監督:阪元裕吾/2025年/日本

マスコミ試写で鑑賞。公開は2025年3月20日です。原作未読、『ベイビーわるきゅーれ』シリーズ未見です。初阪元裕吾監督ですね。

あらすじ:バンドマンの先輩がかっこいい。

ネタバレはありません。

大学の女子寮で同じ部屋に住んでいる先輩・鯨井ルカ(平祐奈)と後輩・入巣柚実(久保史緒里)。ふたりは、ゆるい日常を暮らしていました。

ちょっと話の立ち上がりが遅いかなという気がしたのですが、終わってみるとこれが絶妙なバランスで成り立っているなと思いました。106分の作品で、だいたい60分あたりから未知の展開(ゆるふわ日常系から脱する)ので、時間で見ると特に遅いわけではないんですよね。じゃあなぜ遅いと感じたのかはたぶん、ゆるい展開の終わりが見えていなかったからだと思います。初めて行く場所が遠いと感じるように。

ちょうど昨日、『アマデウス』(1984年)の話をしていたのですが、今作でもそれは思いました。私はあまり天賦の才を信じていないのですが(努力の方が大切だと思っているので)、それでもやはり才能の芽のようなものはあると思うんです。ルカには才能の芽と努力と熱意があって、なにかに打ち込んでいるわけではない柚実や、彼女の周囲に居る人たちはそれがなかなか理解できないわけです。「なにかをやりたいけれど、なにをやったらいいのかわからない」というようなセリフが劇中にありました。こう言うと残酷かもしれませんが、柚実たちはサリエリで、モーツァルトのようなルカを遠く感じてしまうのは仕方がないのかもしれません。ルカを妬まないだけまだ『アマデウス』のサリエリより立派です。妬みの感情を否定するわけではないけれど。妬みもまた人間らしさですしね。

劇中の曲もとても良かったし、面白い映画でした。おすすめです。

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