アンジェントルメン
The Ministry of Ungentlemanly Warfare/監督:ガイ・リッチー/2024年/アメリカ・イギリス・トルコ合作
マスコミ試写で鑑賞。公開は2025年4月4日です。実話ベースです。なにせガイ・リッチー監督なので、史実からだいぶかけ離れているだろうなとは思いますね。また、書くところがないのでここに書きますが、途中で仮装パーティーのシーンがあり、一瞬『フランケンシュタインの花嫁』(1935年)と『オズの魔法使』(1939年)のライオンが出てきて、そうだ、この映画は設定が戦時中だったわ。となりました。探してみてね。
あらすじ:イギリスにもナチスドイツにも見つからずに任務を遂行せよ。
※ネタバレはありません。
第二次大戦中、英国軍はナチスドイツにより窮地に追いやられていました。ガス少佐(ヘンリー・カヴィル)は特殊作戦執行部に召喚され、「英国軍にもナチスにも見つからずに北大西洋上にいるUボートを無力化せよ」という無茶な任務を言い渡されます。ガス少佐は仲間を集め、漁師のふりをして現地に向かうのですが……。
導入から、300回くらい観たような流れで任務を言い渡され仲間を集め、ドイツ軍の捕虜になっている1人を助けに向かうわけです。私はたまに「300回くらい観たような」って言いますが、まあ実際は300回も観ておらず他の映画とごっちゃになることもなく、「こういうの、流れとしてよくあるね」くらいのニュアンスで受け取っていただければ幸いです。王道だと思うし、王道であるのは悪いことではないし、安心して観ていられるという意味でもあります。悪口ではないのよ。
この映画がとても親切でありがたいなと感じるのは、任務を言い渡されて仲間を集めたときに、任務の内容を丁寧にもう一度話してくれたところです。さっき言ったことをまた言った! と驚きはしましたが、ありがたくもありました。私は会議のようなシーンが苦手で、内容が頭に入ってきづらいからです(ヒーロー映画を観なくなったのは、立って会議するシーンが多く、話が追えなくなったためです)。
そして何より、きっちりかっこいいアクションがあるところが大変良い! 筋肉もりもりで人よりも(なんならヘンリー・カヴィルよりも)一回りくらい大きく見えるラッセン(アラン・リッチソン)がはちゃめちゃにかっこいいです。デカくて筋肉でメガネの弓使い。ナイフも使うよ。まったくもってありがたい存在でした。映倫区分はGで血の量こそ少ないものの、敵が倒されてゆくようすは痛快だし、やっぱりこういう映画を撮るとガイ・リッチー監督はうまいなぁ。
今どき、女性がその魅力で敵を欺くというのは古いのではと思いましたが、マージョリー・スチュワート(エイザ・ゴンザレス)は色仕掛けではなく、小粋で不謹慎なジョークで相手を魅了する役だったため、敵が「ふん、おもしれー女」ってなってコロッといくのが面白かったです。全体的に恋愛要素が0なのに、マージョリーはその後、仲間のひとりと結婚したとわかり、この映画にそこの要素を入れなかったのは正解だなと思いました。アクション映画にあるラブロマンス要素、嫌う人多いしね。
最初の方こそ、「300回くらい観た展開だな〜」と余裕ぶって観ていたのですが、物語が中盤に差し掛かってからは、これは一体この先どうなるんだろう……とはらはらしながら観ていました。繰り返しになりますが、やっぱりこういう映画を撮るとガイ・リッチー監督はうまいです。ちょっと残念だなと感じたのは、クライマックスが夜なので若干見づらかったことくらいですね。面白かったです。かっこいい男とかっこいい女が好きな人におすすめです。


