インビジブル・ゲスト 悪魔の証明/嘘には必ず理由がある

サスペンス
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インビジブル・ゲスト 悪魔の証明

Contratiempo/監督:オリオル・パウロ/2016年/スペイン

U-NEXTで鑑賞。アマプラでも観られます。TikTokでおすすめ映画としてよく出てくるので観てみました。

あらすじ:密室殺人事件。

ネタバレはありません。

青年実業家のドリアは、ホテルの一室で不倫相手ローラとの密会中に何者かに襲われて気を失います。目を覚ますと、ローラは撲殺されていました。

ドリアのもとへ敏腕弁護士のグッドマンが訪ねてきます。ローラ殺害の罪で行われる裁判まであと3時間。ふたりは、事件について再検証を進めていくことに。実はドリアは3か月前、ローラとともに車での移動中、事故を起こしています。相手の運転手である青年、ダニエルが死亡したため、遺体を処理して事故を偽装しました。ダニエルの父親はドリアを疑い、執拗につきまとってきて……。

美しい妻と娘だけでは満足できず、不倫相手とこそこそ密会を重ねていたドリアにとって、嘘をつくことは日常茶飯事だったのかもしれません。ゼロから成り上がって手にした現在の地位を手放したくないドリア。事故のことがバレたら、すべては水泡に帰すわけです。2週間前に引退したグッドマンは、今回の事件を扱うため弁護士に復帰したと言います。ふたりにとって絶対に負けてはいけない裁判で無罪を勝ち取るには、ドリアに起きたことを洗いざらい話しあい、どこかに道を作らなければなりませんでした。

ちょっとした伏線もすべて丁寧に描写し回収してくれるので(伏線とはそういうもの……)、観終わったあとの満足感がとても高かったです。おすすめ映画としてよく出てくるのも納得でした。わかりやすいし、ドリアは主人公だけどやっぱなんかむかつくし、グッドマンの有能ぶりも堪能でき、「いや、それは無理だろ」みたいな私の嫌いな表現である「ツッコミどころ」もなくて(「ツッコミどころ」っていう表現が嫌いなのは多分、自分がこうツッコんだら笑えるだろ? みたいなニュアンスを感じ取っているからかもしれません)見事に騙された感が楽しめました。だいぶ早朝に起きてしまって時間つぶしのために観はじめ、眠くなったら止めて仕事の後でまた観ようかな、くらいの軽い気持ちだったのに、観ている間にどんどん目と頭が冴えてきて、すっかり覚醒してしまいましたよ。

ストーリーが似ているわけではありませんが、一番最初に思い浮かんだのは『ユージュアル・サスペクツ』(1995年)でした。一度は物語を楽しみ、二度目は細かく張られた伏線を楽しむようなところがね、似ているなと。『ユージュアル・サスペクツ』と言ったら90年代サスペンス映画の最高峰クラスと言っても過言ではありませんから、あのハラハラ感に虜になった人には特におすすめです。

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