ピンポン/この星の、一等賞に

邦画
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ピンポン

監督:曽利文彦/2002年/日本

U-NEXTで鑑賞。公開時(2002年)に観ています。その時の感想はこちら。

スマイルとチャイナがかっこいい。ペコは漫画のペコのまんまで、ほかのキャラと比べるとやや不自然か、でもそれくらいがちょうどいいか。テンポよく話しが進んでいくところはとてもいいと思った。

原作にないシーンもしらけることのないように組み込まれている。良くも悪くも原作通りと言う感想。台詞が多すぎて、映像で説明できる部分も台詞にしてしまっている感じがした。もうちょっと削っていいんじゃないのかな。

卓球の試合のシーンは、もっと、手のアップとか球がカメラに向かって飛んでくるとかそういう演出もあってよかったかな。けど、スピード感があってリアルですごくよかったよ。

困ったのが竹中直人で、この人はとても演技が上手いがゆえに、この人の出てくるシーンはすべて「竹中直人中心のシーン」になってしまっているようなかんじがした。ひっぱられるんですよね、竹中直人に。同じ事が窪塚洋介にも言えたかも、でも窪塚は主役だからいいのか? この2人だけ別キャストになったこの映画を見てみたい。あ、夏木マリめちゃかっこよかった。

えらそうに何を……本当にすみません。『エレファント』の初見時の感想もそうだけど、昔の私って鼻につく!

あらすじ:卓球をやります。

ネタバレしています。注意書きはありません。

高校一年生のペコ(窪塚洋介)は卓球がうまく、将来はヨーロッパに留学して頂点を目指すという夢を持っています。幼馴染のスマイル(ARATA/現:井浦新)は子どもの頃、ペコに助けられたことがあり、彼をヒーローだと思っていました。

先日、かなり年下の友人と話していて、「窪塚洋介はビルの9階から転落したことがある」と言ったらたいへん驚かれました。この映画が公開されたあたりのとき、窪塚洋介は結構人気があって、若手でイケメンで演技がうまいみたいな扱いだったような記憶がありますがいかがでしょうか。記憶を捏造してしまいましたか。でも人気ありましたよね。井浦新もイケメン枠で人気があったような薄ぼんやりとした記憶があります。というか、この映画から人気が出た気が……?

私はこの映画は漫画原作で一番良くできている実写作品だと思っていて、その理由は原作にほとんど何も足さなかったことです。今、原作が手元にないので、カット割りなどまでは確認ができませんが、エピソードの変更は確かほとんどないんですよね。引いた部分はあれど足した部分はピンポン玉に覆われているペコの心象風景くらいだったと思います。

私が一番好きなのはアクマ(大倉孝二)です。努力が報われず、スマイルに辛辣なことを言われ、身を滅ぼしていくようすがとても人間らしいなと思います。ペコもスマイルも「持つ者」であり、アクマは「持たざる者」であるところや、アクマが憧れているドラゴン(中村獅童)がストイックに自分を追い込むタイプであるところなども好きですね。

と書いてみると、この映画の良いところはすべて原作にあるところということになってしまいそうですが、物語としてのベースが出来ているということなのかなと思います。実写映画化したときにカメラに映るものや、漫画ではどうしても表現のできない音楽(私はSUPERCARが大好きだったので……)、映像表現としていかに卓球の強さ・面白さを表現するか、そしてキャスティングなどは映画でこそ、と思うんです。もともと好きな映画なので、見返しても感想はかなり甘めになりましたが、良く出来ていると思います。おすすめです。

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