無名の人生/100年を生きるのは、あまりにも長すぎて

アニメーション
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無名の人生

監督:鈴木竜也/2024年/日本

新宿武蔵野館 スクリーン1 H-4で鑑賞。アニメを観ない友人が、珍しく勧めてきたので観ました。情報をほとんど入れずに観られて良かったです。

あらすじ:いじめられっこが友達を作ります。

ネタバレしています。注意書きはありません。

仙台の団地で暮らすいじめられっこの少年がいました。ある日、転校生が彼のクラスにやってきて……。

結構、説明のしづらい物語だと思います。鈴木竜也監督が個人制作で1年半をかけて作った、という製作のあたりの話は他の皆さんが書いていらっしゃると思うのでこちらでは省きます。

とても個人的で小さな物語から様々な社会問題などを組みこんで作られたこの映画は、最終的に誰も観たことのない「人生の終焉」までを描いていきます。エンタメ作品というよりはアート寄りかなと思いましたね。割と簡素に見える絵柄で、でも背景や車はとても描き込んであって、動きや表情は少ないものの、作画カロリーは高いなと思いました。このボリュームをたった1年半で描くというのは、よほどの情熱と信念がないとできないことだと思うし、最後までよく描ききったなあという感動がありました。カットが変わるたびに何かしらの衝撃的な出来事が起きるし、構図も凝っていて良かったです。なんとなく、ルネ・マグリットっぽい(絵柄が似ているわけではないですが)なと思いました。あとルネ・ラルーっぽさもあるなと、特に後半は。

映画館のロビーで『イーオン・フラックス』のアニメ版のTシャツを着ている人がいて、えー、どこで手に入れたんだろう、声かけたいけどやめとこ……ってなったんですが、映画を観終わってからその人のことをなんとなく考えました。『イーオン・フラックス』と『無名の人生』が似ているわけではないのですが、なんとなーく、あの人は、この映画を好きだろうな……って。

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