ジョニーは戦場へ行った
Johnny Got His Gun/監督:ダルトン・トランボ/1971年/アメリカ
試写で鑑賞。終戦80年企画での4Kリバイバル公開は2025年8月1日です。うっすらとラストだけ知っているかなというくらいの理解度です。
あらすじ:戦争へ行きました。
※ネタバレしています。注意書きはありません。
第一次世界大戦。愛する者を置いて戦争へ行ったジョー(ティモシー・ボトムズ)は、爆発に巻き込まれて身体と感覚のほとんどを失います。
てっきり、幸せな生活を送っていた主人公が戦争へ行って、ラストで悲惨なことになるのだと思い込んでいました。そうしたら初っ端から悲惨で絶句してしまいましたね。ジョーは話すことも聞くことも動くこともできず、けれども意識はあります。ただ、彼に意識があることを、周囲の人間は誰も察知できません。
ドナルド・サザーランドは神に近い者です。ジョーはたびたび過去の風景や妄想の世界に入り込みますが、そのためによりいっそう、自分の置かれた境遇に思い悩むことになるわけです。妄想の世界はカラーで、現実の世界は白黒であるところには、『オズの魔法使』(1939年)と同じものを感じました。
悲惨な映画としてあまりにも有名なためと、誤解していたもののどういう映画なのかはうっすら知ってしまっていたために今まで積極的には観ようとしてこなかったのですが、私が普段好む悲惨な映画とはまったく違いました。救いがなさすぎる……。ジョーを”助けよう”とする看護師がいたことが逆にジョーを苦しめてしまったかのようにも思えます。
手足と顔を失ったジョーの姿は一切出てきません。見せないことで恐ろしさを表現しているとも思えますが、私にはこの映画を”センセーショナルな見世物”としては扱わないのだという意思を感じました。うんざりするほど落ち込むけれどおすすめです。


