岬の兄妹/あんたに何がわかるんだ

人間ドラマ
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岬の兄妹

監督:片山慎三/2018年/日本

U-NEXTで鑑賞。

あらすじ:足の悪い兄と自閉症の妹。

ネタバレしています。

海に面した街に、足が悪い兄・道原良夫(松浦祐也)と、自閉症である妹・真理子(和田光沙)が暮らしていました。彼らの生活は困窮を極めており……。

Xで、週末に観る映画を決めてもらい、選出されました。

2人が暮らす家は、窓をぜんぶ段ボールで目隠ししています。妄想でしかありませんが、目隠しが外の世界を拒んでいるように見え、ものすごくリアルに感じました。その段ボールが剥がされるとき、閉ざしていた外部との接触を始めるという意味に思えましたが、実際はどうなんでしょう。

電気を止められ食べるものがなくてゴミをあさる2人の姿に衝撃を受け、良夫が真理子にいらだって怒鳴ったり手を上げるようすに胸を締め付けられる思いがしました。福祉の手は差し伸べられず、自力で暮らしていくためにはあまりにも状況が悪く、どうしたら人間として幸せな日々が送れるのかがわからない2人に、一瞬で引き込まれました。主演の2人の演技が抜群にうまいのも引き込まれるひとつの要因かなと思います。

良夫はやがて真理子に売春をさせるようになります。最初の方こそしんどそうに見えた良夫でしたが、徐々に慣れたのか罪悪感があるようにも見えず、そもそも犯罪であるという認識もないんですよね。俺は足が悪くて働けない、だから売春をさせるのは「仕方ない」と思っているようです。真理子は真理子で、なにもわからない(ように見えるのと、私は自閉症の人と関わったことがないので、どれくらいまで意思疎通ができるのかもわからない)まま身体を売ることを受け入れます。回想シーン、ブランコのチェーンで自慰をする真理子のようすを入れたのはなかなか挑戦的だなと思いました。

しかし何と言っても、良夫にまったくと言っていいほど善性がないのがすごかったです。唯一の友人に対しての態度も悪いし、軟骨無形成症の男性のことも完全に見下しているし(あの状況で、真理子と結婚させようと思うのは理解の範疇を超えているけれど、良夫にとっては最善策がそれしかなかったのかと思うと、彼の問題処理能力がめちゃくちゃ低いことがわかります)、愛すべきところが見当たらないんですよね。面白い映画でした。おすすめです。

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