飢えたライオン
監督:緒方貴臣/2017年/日本
U-NEXTで鑑賞。軽く観られる短めの邦画が観たいなと思って観ました。78分。観終わってから知りましたが『子宮に沈める』(2013年)の監督なんですね。
あらすじ:担任が淫行で捕まります。
※ネタバレしています。
高校2年生の杉本瞳(松林うらら)の担任が、ある日のホームルーム中に未成年への淫行容疑で警察に連行されていきます。その後、担任が撮ったものと思われる動画がネットに広まり、映っている女子高生は瞳なのではないかという噂が広がりはじめるのでした。
78分という短さで、そろそろ終わるかなと思って時間を見たら(配信で映画を観ているときにやりがちだけど、あんまり良くないよね)まだ40分しか経っていなくてなんだかびっくりしました。話もちゃんと進んでいるし、テンポが悪いわけでもないのに、なぜか体感時間が長かったです。つまらないわけではないです。
この映画は嫌な人がたくさん出てきて、瞳に対して嫌なことをたくさん言ったりやったりするんですが、私が一番うわっと思ったのは、瞳の母の「(夜遊びしているようでは、動画に映っている女子高生が瞳だと)疑われてもしょうがないよ」でした。担任と淫行し動画を撮らせたのが本当に瞳だったとしても、母親だけは彼女の味方でいてほしいし、子供のことを信じてあげてほしいと思いましたね。これについては身に覚えのある出来事が私にもあったんですが、映画の感想に書くことではなさすぎるので書きません。誰も得をしない。
SNSについて、話題には上るけれど実際の画面を出さなくて、これは良い判断だと思います。映画でSNSを扱うときに画面を出すと、途端に現実味がなくなることはよくあるので。おそらくですが、この映画はネットの噂を描いているけれども、本当に描きたいのはネットの向こうにいるいろんな人間だから、画面は出さず登場人物たちの反応などで表しているのかなと思いました。あんまり気分のいい映画ではありませんが、問題提起としては良くできていると思います。


