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監督:関根光才/2025年/日本
U-NEXTで鑑賞。公開時それなりに評判が良かった気がしたので観ました。
あらすじ:新型コロナウイルス感染症の集団感染。
※ネタバレしています。
2020年2月。豪華客船ダイヤモンド・プリンセス号の船内で新型コロナウイルス感染症の集団感染が起きました。
小栗旬、松坂桃李、池松壮亮、窪塚洋介等の豪華キャストでお送りする、事実をもとにした物語です。
私はダイヤモンド・プリンセス号の中で具体的に何が起きていたのかを知ることがなく今日まで来ました。今は2025年10月、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類感染症になって2年が経ちます。
新型コロナウイルス感染症に関しては誰が悪いという話ではないと思っているけれど、マスコミは対外的には難しい顔をしながら事態が深刻化すればするほど数字が取れるようで面白がっているようにも見え、嫌悪感を抱きますね。この出来事に悪者がいるとしたらマスコミということになるのでしょうか。私もこの頃に行われていた報道のせいで心がつらくなってしまった経験があるので、どうしても「マスコミが悪かったんだ」ということにしたい気持ちになります。とはいえ、「マスコミが報じなかった衝撃の事実をネットが暴く!!」みたいなのはもっといただけないですね。
本来はウイルス対応を行っていない災害医療ボランティア的組織「DMAT」が出動し、自らの身を危険にさらしてまで対応をするようすは自己犠牲的で、物語として美しく消費しやすいと思ってしまいますが、この映画を斜に構えて観ることはあんまり褒められたことではないかな……とも思います。逆張りすればいつでも勝てるみたいな考え方はね。「これはプロパガンダ映画だ」と言われれば、そうですねとも思います。どうしたら良いのか。これはドキュメンタリー映画ではなく劇映画で、あくまでも事実をもとにした物語であってすべてが事実ではないということをちゃんと理解していれば良いのかな。いや、こういう言い方は、自分が映画を間違った見方で観ていないのだと思いたいがゆえに出てくる言葉ですね。良くないな……。そして映画はハッピーエンドですが、現実はここから地獄が始まっていったかと思うとね、まさか自分が生きている間にパンデミックが起きるとは思いませんでしたよね。


