サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行
Un p’tit truc en plus/監督:アルテュス/2024年/フランス
© 2024 CINE NOMINE – M6 FILMS – AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINEMA – SAME PLAYER- KABO FILMS – ECHO STUDIO – BNP PARIBAS PICTURES – IMPACT FILM
東和ピクチャーズから招待されたオンライン試写で鑑賞。2025年12月26日(金)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー。
あらすじ:障がい者のサマーキャンプにまぎれこんだ。
※ネタバレはありません。
パウロ(アルテュス)は、父親(クロヴィス・コルニアック)と一緒に宝石店へ泥棒に入りますが、逃亡用の車がレッカー移動されてしまいます。そこでたまたまサマーキャンプへ出かけようとしていた障がい者施設のスタッフから、新しい入所者と間違われて、障がい者と支援者のふりをしてバスに乗り込むのですが……。
フランスの人気コメディアンであり俳優で監督のアルテュスが監督・脚本・主演をつとめ、ベテラン俳優クロヴィス・コルニアックが父親役を演じます。また、実際に障がいをもつ11人の俳優をキャスティングしています。
障がい者にまぎれこむ話だと、2005年の『リンガー!替え玉★選手権』を思い出します。こちらは知的障がい者のふりをしてスペシャルオリンピックスに不正出場するというファレリー兄弟プロデュースのブラックコメディです。ファレリー兄弟は『メリーに首ったけ』(1998年)などを監督しており、比較的最近では兄のピーター・ファレリーが『グリーンブック』(2018年)を監督して広く知られるところとなりました。ファレリー兄弟は、「障がいのあるなしに関わらず良い人も悪い人もいる」という考えのもと、監督作に障がい者を起用しているようです。これは非常に伝わりにくいところでもあるなと思っていて、受け取る側がみんな「障がいのあるなしに関わらず良い人も悪い人もいる」という考えではない可能性もあるので、ファレリー兄弟が障がい者差別をしていると受け取られることもあるだろうなと思うんですよね。
今作『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』も、監督であるアルテュスの意図がどこまで通用するのかなという気持ちがありました。観てみると、笑えるシーンも多くあるのですが、それは障がいのあるなしとは関係ないんですね。粘土で鉤十字を作っちゃったりそれをユダヤ人に見せようとするような、かなりキツめの冗談もあります。でも、障がいそのものを笑うようなシーンはひとつもありません。監督のアルテュスはパラリンピックややハンディキャップ・インターナショナルのアンバサダーを務めており、もちろん今回の映画についても相応の覚悟をもって取り組まれたようです。そのことが画面からじゅうぶん伝わってくるように思いました。


