おくびょう鳥が歌うほうへ/それでも孤独と向き合って

人間ドラマ
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おくびょう鳥が歌うほうへ

The Outrun/監督:ノラ・フィングシャイト/2024年/イギリス・ドイツ合作

マスコミ試写で鑑賞。公開は2026年1月9日です。

あらすじ:アルコール依存を治したい。

ネタバレはありません。

10年ぶりに故郷へ戻ってきた29歳で無職のロナ(シアーシャ・ローナン)は、依存症の施設に入所します。

ロンドンで暮らしていたときのロナのようすはとても刹那的で、命に関わるトラブルに巻き込まれてしまうのではないか、もしくは彼女がトラブルの原因になってしまうのではないか、という危うさすら感じます。でも、状態が良かったときも悪かったときも、ロナはロナでしかありません。

この映画は時系列がシャッフルされており、ロナが過去の自分と向き合いながら暮らしているようすや、野鳥保護団体で働くようすが交互に描かれます。アルコール依存が原因で恋人と別れ、孤独を抱えたロナ。故郷では、双極性障害をわずらう父親には頼れず、母親は神に祈ることしかしません。特に父親については躁状態と鬱状態の揺れの激しさがかなり印象的に描かれています。

喪失と再生あるいは成長の物語は多くあり、ロナの物語も喪失と再生、成長を描いています。過去と現在のできごとが巧みに混じり合いながら進み、美しくも激しい自然のようすと、シアーシャ・ローナンの繊細な演技が物語を支えています。もう二度と飲酒しないから私を捨てないで、と恋人にすがるようすに、言いようのない惨めさを感じました。アルコールに依存したことこそないものの、恋人に依存することが多かった私には、自己嫌悪にも似た感情を呼び起こされました。

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