架空の犬と嘘をつく猫/それぞれの家族のとらえ方

人間ドラマ
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架空の犬と嘘をつく猫

監督:森ガキ侑大/2025年/日本

マスコミ試写で鑑賞。公開は2026年1月9日です。

あらすじ:死んだ弟のふりをします。

ネタバレはありません。

幼いころに弟を亡くした羽猫山吹(高杉真宙)は、母親(安藤裕子)に弟のふりをしてずっと手紙を書いていました。

1988年から約30年間におよぶ物語なので、どこを切り取るかで印象がだいぶ異なるだろうなと思います。そしてどこを切り取るにしても特筆すべきは空や風景の美しさと、その時代の再現度です。ちゃんと計算してないのですが、山吹の姉・紅(向里祐香)と私はたぶん年齢がそこそこ近いんですよね。1990年代のシーンで女子生徒が公衆電話からテレクラに電話をして成人男性と話すシーンがあり、うわ! ってなりました。私、知ってる、これ! やったことある! お母さんごめんなさい。

テレフォンクラブとは、電話を介して女性との会話を斡旋する店である。通称はテレクラ。基本的には個室で女性から店に電話がかかってくるのを待ち、その女性との会話を楽しむもの。個室にはティッシュペーパーなどが配置されており、テレフォンセックスが行われる場合もある。女性との交渉次第では、機会を改め店の外でデートや性行為を行うことなども可能である。

テレフォンクラブ – Wikipedia

山吹のようなタイプの優しい人はいます。自分を犠牲にすることを厭わない人です。そして、優しい人は見下され食い物にされることがあります。いつだって良い人止まりで、都合よく使われたりして。山吹の父(安田顕)は、山吹とはまったく性格が違います。まあ人なので性格が違うのは当たり前なのですがともかく、山吹の父は「女の子はやっぱり赤いランドセルじゃないとな!」なんて笑いながら愛人の乳をむんずと掴む、みたいな人物なんですよね。山吹は絶対にそういうことをしないな、というのが、高杉真宙の立ち居振る舞いから感じました。あるいは反面教師だったのかもしれません。

山吹の優しさの本質がわかったとき、そして、ある人の思いがわかったとき、どうにもならない断絶を感じました。「ある人の思い」については、「なにもそんなふうに言わなくても」というのが正直な感想です。でも、これからの山吹はきっと、自分を犠牲にするような優しさを見せることはないだろうな、とも思います、というか、そうであってほしいんですよね。しかしそれにしても、人間の半生の感想ってとても難しいです。

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