グッドワン/あなたのことがわからない

人間ドラマ
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グッドワン

Good One/監督:インディア・ドナルドソン/2024年/アメリカ

マスコミ試写で鑑賞。公開は2026年1月16日です。

あらすじ:山に登る。

ネタバレはありません。

17歳の少女サム(リリー・コリアス)は、父クリス(ジェームズ・レグロス)とその旧友マット(ダニー・マッカーシー)とともに、2泊3日のキャンプへ出かけます。

本当はマットの息子も来る予定でしたが、家族間で揉めたらしく3人でのキャンプとなりました。途中、たまたま出会った男性3人組との交流もしながら、和やかに時は進みます。

先日、差別について親の世代の人から言われた言葉を思い出しました。いわゆる”I’m not racist, I have black friends”論法でした。私はそのとき「もういいや」と思ってしまいました。指摘したところで、私とその人との関係性が良い方向に進むとは思えなかったからです。今回は私が無視する側でしたが、立場が逆になることもあるでしょうし、これまでもきっとあったのだろうとも思います。無視という反応の意味に気づかず生きてきたんだと。

この映画を最後まで観て「なにこれ?」という感想を抱く人もいると思います。おそらく、それは意図的にそう作られています。いくら十代のことを理解しようとしても、どうしても理解しきれない部分はある。逆に十代の側から見れば私のような中年世代が理解できない存在に映ることもあるはずです。そこには、どうしても埋めきれない溝があるのだと思います。それでも、その溝を放置したままでいいのかと言われれば、そうではない気がします。お互いが歩み寄らなければならないし、それはうわべだけではなく本質を伴ったものでなければ意味がありません。

もっとも、そもそも歩み寄ろうと思えないことや、歩み寄ること自体が苦痛である場合もあるでしょう。若い感性や、近年あらためて意識されるようになった正しさを受け止める余裕がない、ということもあると思います。

かつては許されていたことが、今は許されなくなる。以前は面白がられていたものが、今では到底受け入れられなくなる。そうした変化を、時代のせいにしてしまうこともあるでしょう。でも、時代のせいにするだけでは現実から逃げているようにも感じます。中年世代に対して「若者に無理をしてでも擦り寄れ」と言いたいわけでもありません。新しい考え方はこれからも更新され続け、間違うこともあるでしょう。それでも時間は後戻りしません。だったら、立ち止まったままでいるよりも、不格好でも前に進むしかないのだと思います。おすすめです。

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