鬼胎(クィテ)黒い修道女
검은 수녀들/Dark Nuns/監督:クォン・ヒョクチュ/2025年/韓国
マスコミ試写で鑑賞。公開は2026年1月30日です。チャン・ジェヒョン監督の『プリースト 悪魔を葬る者』(2015年)のスピンオフ。私は『プリースト 悪魔を葬る者』を観たことがないですが、この映画を観るのに特に支障はありませんでした。
あらすじ:少年に取り憑いた悪魔を払います。
※ネタバレはありません。
原因不明の発作に苦しむ少年ヒジュン。黒い修道女と呼ばれるシスター・ユニア(ソン・ヘギョ)は、彼の症状は凶悪な十二悪魔のしわざだと主張し、悪魔祓いを実施する許可を得ようとするのですが……。
ポスターを見たときはホラー映画だと思っていましたが、実際にはそうではありませんでした。オカルトではあります。もっと大きなジャンルとしてはスリラーに近く、怖いシーンや突然驚かされるようなシーンはほとんどありません。全体的に雰囲気を重視し、静かに物語が進んでいきます。
ヒジュンの担当医であるパク神父は、彼の状態について「複数の精神疾患が重なった結果であり、悪魔憑きではない」と断言します。パク神父は「自分たちは聖職者であると同時に医療従事者でもある」と語り、悪魔祓いではなく治療を行うべきだと主張します。私はこの意見を至極真っ当なものだと感じました。悪魔憑きが出てくる映画で、悪魔祓いを頼まれた神父が、このように医療を重視して協力を断るシーンをあまり観たことがない気がします。
そしてシスター・ユニアは自ら悪魔祓いを行おうとします。叙階を受けていない修道女は教義上、正式な儀式を執り行うことが許されていません。この「叙階」という言葉が何度も出てきましたが意味がわからなかったので調べました。
叙階は、教会の頭であるキリストご自身の代理として、またキリストと教会の名によって、教会共同体に奉仕する司祭を派遣するための恵みをあらわす秘跡です。そのしるしは司教の按手であり、それによって役務に必要な聖霊の恵みが授けられます。
女性同士が連帯して少年の救出に向かう流れの中で、教会という枠組みの外にある存在である巫女にまで協力を求める展開が印象に残りました。西洋のキリスト教的世界観と東洋のシャーマニズムを、どちらがより優れているかという形で切り分けることなく描いている点は新鮮でした。


