フェザーズ その家に巣食うもの/愛する者を亡くした大人のためのおとぎ話

スリラー
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フェザーズ その家に巣食うもの

The Thing with Feathers/監督:ディラン・サザーン/2025年/イギリス

マスコミ試写で鑑賞。公開は2026年3月27日です。原作未読。

あらすじ:妻を亡くしました。

ネタバレはありません。

ある日突然、愛する妻を失くしたコミックアーティストの男(ベネディクト・カンバーバッチ)。幼い息子2人をかかえ、必死で日々をやりすごしてきた彼の前に、自分が描いたコミックに出てくるカラスが現れます。

その家に巣食うもの』という副題で勘違いしてしまいましたが、この映画はホラー映画ではありませんでした。
血が出るしホラー映画っぽい演出はあるけれど、怖い話ではないです。

なんとなく雰囲気が『怪物はささやく』(2016年)に少しだけ似ているなと思います。『怪物はささやく』は母親を亡くしそうな少年の前に怪物が現れる物語だったけれど、こちらは妻を突然亡くして右往左往する父親の前に怪物が現れる物語です。まあ言ってしまえばそれ以外の要素は似てはいません。

前半ではドラマチックな出来事が起こるわけではないです。いきなり妻がいなくなってしまって家事も満足にできず、子育てにも戸惑っている父親の姿が描かれます。この部分を切り取って、父親は今まで家事や育児を妻に押し付けていた、だから家事がぜんぜんできないんだ、ととることもできると思うのですが、そこまで言うとさすがに可哀想かと思います。突然、家族のかたちが変わってしまい、父親も息子たちも戸惑っているだけだと思うんですよね。

この父親は、強くあろうとはしません。悲しみを乗り越える方法を知らず、日々の生活に追われています。子供たちのことは愛しているけれど、思っていたより手がかかるというのが本音なのではないでしょうか、こらえきれず強い口調で叱るシーンもあります。それを、大人なのに冷静ではないと非難することは簡単だけれど、自分が彼の立場になったら、何にも出来ないと思うんですよね。ただ、私は小さい子供のいる家庭への解像度が非常に低いのと、近親者の死を経験したことがないので、間違ったことを言っている可能性は大いにあります。

最終的に物語が着地する場所が意外で、好き嫌いが分かれそうだなと思いました。人によっては絶対に受け入れられないということはありそうです。私は、意外性も含めて好きだなと思いました。決して明るい映画ではありませんが、心にずっと残るような物語だと思います。おすすめです。

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