廃用身/こんな姿になってまで

サスペンス
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廃用身

監督:𠮷田光希/2026年/日本/©2025 N.R.E.

マスコミ試写で鑑賞。2026年5月15日TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。原作未読。

あらすじ:老人の手足を切断します。

ネタバレはありません。

デイケア施設「異人坂クリニック」では、院長の漆原糾(染谷将太)が考案した治療方法が広まっていました。それは、麻痺などで回復の見込みがない手足を切断するというものでした。

最初に手術の内容を知ったときは、「最終的に、不能な脳は取り出しましょう、みたいなことになるんじゃないか」と思いました。最初の方こそ、「手足がなくなって、身体も心も軽くなりました」と言う人がいるものの、これは簡単に行き詰まっていくなという印象でした。乱暴に言うと、使えないからって要らないわけじゃないからね。

今まで観たことのある、介護に関係する映画だと『ロストケア』(2022年)がありました。こちらは老人を直接手にかけているので少し趣は異なります。柄本明の演技が光る1本でした。『廃用身』の柄本明枠は六平直政でしょうか。また、『PLAN 75』(2022年)にも似たところがあるなと思います。高齢化する日本において介護の問題は避けて通れないし、誰もが納得し、かつ誰も犠牲にならないような解決方法が今のところないので、こういう切り口で高齢化社会を描く物語は今後も増えるのではないかなと思います。

作り物とはいえ、褥瘡(床ずれ)ケアのようすを映像で見たのが初めてだったため、とても戸惑ったというか、なんとなく褥瘡というものがどうなるかを知ってはいたけれど、こんなに……という気持ちになりました。ショッキングだったんですよね。自分の親にあんな思いはさせたくないなあと思ってしまいます。私だったらいいけど、親はダメだよ。

衝撃的な内容とは反対に、物語は静かに進んでいきます。日常を切り抜いたような描き方です。それがまた、介護について、現在でも未来でも起きている問題を静かに訴えかけてきているようにも思いました。悪趣味とも言える内容ですが。芯にあるものは人間の尊厳についてなのだろうなと思います。

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