死ねばいいのに/お前が嬉しそうに飲んでいるのは腐った水だよ

ミステリー
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死ねばいいのに

監督:金井純一/2025年/日本/※この記事には広告リンクが含まれます。

マスコミ試写で鑑賞。公開は2026年7月3日です。映画の公開情報は公式サイトで確認できます。
映画『死ねばいいのに』公式サイト

原作は京極夏彦です。私は未読のまま映画を観ていますが、映画を観る前後に原作を確認したい方はこちらからどうぞ。
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あらすじ:亜佐美が死んだ。

ネタバレはありません。

映子(奈緒)は、亜佐美(伊東蒼)のことを知っている人びとに、彼女のことを聞いて回っています。

映子は、亜佐美の知り合い、いえ、知り合いよりももっと親密な、それでいて亜佐美のことを誠実に扱わなかった人たちを、ひとりずつ呼び出します。亜佐美のことをどう思っているのか、死んだことに関しては、どう感じているのか。お前はいったい亜佐美のなんだったのかと問い詰め、結構キツい言葉を投げかけ続けます。結構じゃないかもしれません。かなり、だいぶ、すごく。とてつもなく。畳み掛けるように。

相手はしどろもどろになってまともに答えられず、その態度がより映子の神経を逆撫でします。罵倒の言葉をこれだけスラスラ言えるのもすごいなと思いました。もはやフリースタイルラップじゃないですか。映子の罵倒は人びとの心の、一番柔らかくて一番弱々しいところを容赦なく突いてきます。

映子がなぜそんなことをするのか、この時点ではまだ定かではありません。亜佐美と関わった人たちを断罪したいのか。やり場のない怒りを、ただぶつけたかったのか。それとも、亜佐美という人を、さまざまな角度から知りたかったのか。

最初は亜佐美自身のことが良くわからないまま進みますが、映子が入手した亜佐美に対する情報の断片を繋ぎ合わせ、次第に亜佐美という人間の輪郭が浮かび上がってくるというようなつくりです。亜佐美のことがわかっていくにつれ、この人はとても危うい状態で生きてきた人なのかなと思い始めるんですよね。予告からもわかりますね。こういう、どこか不安定な役をやると抜群の表現力を発揮する伊東蒼がものすごいです。と、私いま『マイ・ブロークン・マリコ』(2022年)のことを思い出してこれを書きましたが、マリコを演じていたのは伊東蒼ではなく奈緒でした。すみません。

ともかく、伊東蒼の、愛せないけど憎めない、近くにいてほしくはないキャラクター作りがうまいなあと思いました。舌っ足らずで、ねとねとした喋り方。間のとり方。語尾を少し伸ばす幼稚な感じ。主体性がなく、人間として芯が通っていない。ふにゃふにゃしていて、不気味な人。なぜか観ているこちらが不安になってくる雰囲気も。そんな亜佐美に負けずとも劣らない奈緒の、迫力を感じる演技も素晴らしかったです。久しぶりに、観た映画の内容について誰かと話したくなりました。おすすめです。

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