PEACOCK/ピーコック
Pfau – Bin ich echt?/監督:ベルンハルト・ウェンガー/2024年/オーストリア・ドイツ合作
マスコミ試写で鑑賞。公開は2026年7月24日です。
あらすじ:友達をレンタルする。
※ネタバレはありません。
友達レンタル会社で実績を積んでいるマティアス。どんな依頼も完璧にこなしていた彼でしたが、あることをきっかけに自信を失っていきます。
設定は今年公開された『レンタル・ファミリー』(2025年)に若干似ていますが、『レンタル・ファミリー』が義理人情・疑似家族との絆、みたいな話だったのと対象的に、人間関係をレンタルすることは基本的に滑稽なものとして扱っているように思えるところがとても良かったと思います。質の良いトラジコメディだなという印象です。と思って観ていたら、クライマックスが独特すぎて気持ちの持っていきようがつかめず、たいそう混乱しました。いきなりわからなくなるんだもの。
マティアスは顧客にとってさまざまな立場を演じます。面白いのは、マティアスのような仕事をしている人がいることはまったくめずらしくないという設定のようなので、「ふつうの」関係と「虚構の」関係の区別がつかず、みんな疑心暗鬼になりがちだというところです。また、マティアス自身の個性があまり感じられず(ゆえに彼がこの仕事に就けているのかもしれませんが)、映画を観終わっても、彼がどういう人間だったのかを説明することは困難だなと思いました。スノッブさが鼻につく、という人もいるかもしれません。誰からも愛される主人公ではなさそうなところが、私がこの映画を良いと思った理由のひとつでもあります。
映画の冒頭のワンカットで「この映画はたぶん面白いな」と直感的にわかるときがあって、『PEACOCK/ピーコック』もそういう映画のうちのひとつでした。これはとても感覚的な話なので、どこがどういうふうに描かれているから面白いとわかるんですよ、という説明はできないです。おもしろいです。


