ザ・バニシング – 消失 – /知りたい男

サスペンス
この記事は約2分で読めます。

ザ・バニシング – 消失 –

Spoorloos/監督:ジョルジュ・シュルイツァー/1988年/オランダ・フランス合作/※この記事には広告リンクが含まれます。

U-NEXTで鑑賞。以前から、観たら落ち込むよと言われていた映画です。

あらすじ:彼女が消えた。

ネタバレしています。

オランダからフランスへ向かうドライブインで、レックスの恋人サスキアが行方不明になってしまいます。

忽然と姿を消したサスキアと、彼女を探すレックスのようすについては、わかる、というか理解することが容易なんです。けれど、そこへ突然挟まれてくる、山荘でなにかの実験や練習を繰り返している家族持ちの男の登場により、私はこの映画を読み解くというよりも先に振り回されてしまい、話を追うのに必死になっていました。

その男レイモンは、毎日山荘に行くことにより家族から浮気を疑われています。レイモンの実験のようすをみるに、殺人の計画を立てているようにみえ、浮気だったらまだましかとも思います。そしてレイモンは、計画を実行に移していくようになります。ようになります、というのは、失敗し続けるんですね。一発でうまくいくわけではない。何が目的なのかはわかりませんが、とにかくレイモンが不気味です。一方で彼は、川で溺れている女の子を助けるような行動も起こします。ひとりの人間のなかに、善と悪が両方存在することは、まったく不思議なことではありません。けれどもレイモンのようすを観ていると、彼は人の善悪について考えているようで、自分の好奇心しか見ていないように思えてきます。

一方、サスキアが消えて3年経っても、レックスは捜索をやめていませんでした。新しい恋人がいるのに、サスキアのことばかり。生きているのか、死んでいるのか、犯人が誰なのかというより、彼女に何が起きたのかを知ることにとり憑かれています。

そしてとうとう、レイモンとレックスが接触するのです。

犯人がレイモンであることは、レックスも観客も、すでにわかっています。残された謎は、サスキアがどうなったかだけです。生きているのか死んでいるのかではなく、何があったのか、そしてなぜ、そうなったのか。この映画はその疑問にひとつだけ答えてくれますが、もうひとつについては答えてくれません。

被害者はサスキアでなくても良かった。レイモンは彼女を生き埋めにする以外、やりたいことはおそらくなかった。「何があったのか」がわかるころには、すべてが終わっています。レイモンは自分の行動について理由らしきものを語りますが、なぜそこまでして自分の悪を確かめたかったのかは、結局わかりません。何をしたのかだけが明らかになり、なぜそんな人間が存在するのかはわからないまま、映画は終わっていくのでした。

タイトルとURLをコピーしました