ドラマなふたり/最悪が止まらない

ラブロマンス
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ドラマなふたり

The Drama/監督:クリストファー・ボルグリ/2026年/アメリカ

試写鑑賞。2026年8月21日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開。本文中に書くところがなかったのでここに書きますが、この映画の見どころとして、主演ふたりの演技のうまさがあります。泣いたり、怒鳴ったり、我を忘れたりといった、わかりやすい感情の表し方だけではありません。ぎこちない作り笑顔や、ほんの少しの表情の変化で、その場では口にできない気持ちまで表しています。また、どういう場面なのかは実際に観て確認してほしいのですが、アラナ・ハイムの、ものすごく嫌味に見える表情もよかったです。

あらすじ:結婚式直前で最悪です。

ネタバレはありません。

チャーリー(ロバート・パティンソン)とエマ(ゼンデイヤ)は結婚式を控えていました。親友夫婦との食事中、今までやってしまった最悪なことを暴露しあうことに。ところが……。

知らなければよかったことを、よりにもよって結婚式の直前に知ってしまうこと。言わなければよかったことを、周りにほとんど強制される形で話してしまうこと。人にはみんな、知られたくない過去があるかもしれません。この映画のように、自分が今までやってしまった中で最悪なことを話さなくてはならないときのために、ギリギリで人に許してもらえる程度の話を準備しておいたほうがよいのではないかとすら思います。というか、酔った勢いの暴露大会って、本当に良いことがないですよね。

愛していれば許せるかもしれない、という程度の内容ではないんです。その秘密は、本当に墓まで持っていくべきことだった。エマがそれを話してしまったのは、酔っていたからでもあるのでしょうが、彼女にこれまで友達がいなかったことも関係しているのかもしれません。どこまで話せば相手が引くのか、どのあたりでやめておくべきなのかが、よくわかっていなかったようにも思えました。あるいは、ただ泥酔していただけかもしれませんが。

この映画がおもしろいのは、暴露大会が行われたのが結婚式の1週間前だったことです。結婚が決まっていなければ、そして式の準備が進んでいなければ、ふたりはその直後に別れることだってできました。もしくは、少し距離を置いて頭を冷やすこともできたはずです。けれども、すでに結婚式は決まっています。次々といろいろな人に会い、みんなから祝福され、そのたびに楽しげなカップルを演じなければならない。本当は落ち込んでいて、隣にいる相手を信用できなくなっているのに、幸せそうに振る舞うことはとても大変です。

それで思い出したのが、すっかり忘れていた私の結婚式でのことでした。

メイクのテストに行ったとき、私は当時の夫に何か言われ、ほとんど泣きそうになっていました。昔のことなので、何を言われたのかはもう覚えていません。ただ、メイクさんが戸惑っていたこと、私も笑うことができず、つらくて悲しくて汗をかいていたことは覚えています。そのころの私はストレスで髪の毛がほとんど生えていませんでした。メイクのためにウィッグを外したとき、周りの人が私の頭をどう思ったのかはわかりません。今と違って体重も40キロ程度しかなかった私は、もしかしたら身体の病気に見えたかもしれません。一瞬で「もし私の姿を見て、余命いくばくもない花嫁というストーリーを、周囲の人が作ってしまったとしたら」と考えました。そして、よりにもよって、私は泣き出しました。そこにいる人たちの誰も何も言えず、当時の夫も何も言わず、ただ私は泣いていました。

幸せな結婚式を控えた人は、幸せそうにしていることを求められます。周囲は祝福する準備をしていて、式場では着々と作業が進んでいく。その状況では、本人たちの間に何が起きていても、簡単には立ち止まることはできません。この映画は、露悪的といえばそれまでですが、私が自分の結婚式の時のことを思い出してしまったように、みんなの「最悪」を思い出すきっかけになるかもしれません。

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