ユー・ガット・メール
You’ve Got Mail/監督:ノーラ・エフロン/1998年/アメリカ
U-NEXTで鑑賞。ずいぶん前に、身内から「女なんて『ユー・ガット・メール』と『プリティ・ウーマン』を観せとけばいいんだよ」と言われ、あまりの乱暴さにびっくりしすぎて何も返せなくなってしまったことがあります。とはいえ、考えてみれば私は今まで両方とも観たことがありません。なので、観てみました。
あらすじ:ネットで恋愛。
※ネタバレしています。
街角の小さな児童向け書店を営んでいるキャスリーン(メグ・ライアン)は、母から受け継いで来た店をとても大切にしています。街に大型書店が出来ることになり、そこの御曹司であるジョー(トム・ハンクス)とキャスリーンは対立しあい……。
私はこの時代、すでにインターネットに触れていたので、特に接続音が懐かしかったです。飼っていたインコが接続音を覚えて、しょっちゅうネットに繋がっていてかわいかったな。
ともかく。ぼんやりと、ネットで恋愛するんだな……くらいの知識しかなかったこともあり、ジョーのあまりのスパダリっぷりに驚きました。昔のインターネットにいていいタイプじゃなさすぎる。今もいない?
もうひとつ驚いたのは、ジョーにもキャスリーンにも、すでにパートナーがいたことです。しかも、ふたりともそれぞれ同棲しているんですよね。キャスリーンが店のスタッフに「最近ネットでいい人がいるの〜」と浮かれて話していて、本当にこれ大丈夫? と思いました。SNSのない時代、ネットで知り合った、恋愛関係になりそうな人とやり取りしていることは、あまり大っぴらに言わなかったように記憶していますが、実際どうだったでしょう。私が知っているインターネットだけでしょうか。
キャスリーンと恋人のフランク(グレッグ・キニア)はかなりうまくいっているように見えます。どうやって、この長年連れ添ったパートナー感を醸し出しているふたりを別れさせるのだろうと思っていたところ、フランクが「政治の話をしない人は無理」と言い出し、さらに彼にも新しくいい相手ができかけているという事情が重なって、かなり穏便に同棲を解消していました。物語全体からすれば、フランクとの関係にそれほど多くの時間を割けないのは分かりますが、それにしても少し強引すぎるなと感じましたね。
一方、ジョーのパートナーである編集者のパトリシア(パーカー・ポージー)との関係は、あまり詳しく描かれません。パトリシアの物の言い方がきつすぎることもあり、性格が合わないといった感じで、さらっと別れていました。
「古い靴を捨てるときは、新しい靴を買ってから」という信条の人もいるでしょう。わかる。わかります。わかりますが、あまり褒められたことではないかもしれない。どうだろう。わかりません。ドライすぎるし、下品かな。この映画がどれくらいヒットしたのかは知りませんが、公開当時、主人公ふたりにパートナーがいたことについて反感を買ったりはしなかったのでしょうか。大変気になる点です。
ともかく、ふたりは、本当に心のうちを明かせる相手とすでに出会っていたことに気づき、ハッピーエンドを迎えます。最後にジョーが犬を連れてキャスリーンの前に現れる場面では、『オーバー・ザ・レインボー』が流れます。突然、私のオールタイムベストである『オズの魔法使』(1939年)の世界観が押し寄せてきて戸惑うとともに、ああ、まあ、たしかに、本当に大切なものは異世界にあるのではなく現実の中にある、というところに着地しているんだなと理解しました。
そして久しぶりに、最後に男女がキスをして終わる映画を観ました。おもしろかったです。


