グルスポングの奇跡
Miraklet i Gullspång/The Gullspång Miracle/監督:マリア・フレデリクソン/2023年/スウェーデン・ノルウェー・デンマーク合作
試写鑑賞。公開は2026年9月4日です。
あらすじ:死んだ姉に会いました。
※ネタバレはありません。
スウェーデンで暮らす妹カーリの元を訪ねたノルウェー人のマイ。遊園地で怪我をしたマイは、療養のため小さな町グルスポングで家を探します。2人が見つけた理想の家の売主オーウラグは、昔、自ら命を絶った姉リータにそっくりでした。
1940年代、ナチスドイツ占領下のノルウェーでは、双子は実験対象とされる危険がありました。リータの双子の姉オーウラグは生まれたときに死亡と偽られ、他の家族のもとで育ったのでした。人生に突然訪れた奇跡に姉妹は喜びますが、やがて家族の関係には亀裂が生じていきます。
もし自分の人生に突然、今まで存在を知りもしなかった家族ができたら。オーウラグの立場でこの一連の出来事を見ると、それは非常に奇妙で不気味で受け入れがたいことのようにも思います。家を売りに出していただけなのに、見知らぬ人から自分の人生の根幹に関わることを言われてしまうのですから。それでもオーウラグは徐々に「事実」を受け入れます。
キリスト教では、自殺は重い罪とされています。カーリとマイはクリスチャンですが、オーウラグはそうではありません。映画が自ら命を絶ったリータの死の真相に触れたとき、決して開けてはならなかった扉を開いてしまったかのように、彼女たちの関係は大きく崩れていきます。
なんとも言いようのない不思議な気持ちのまま映画を観終えようとした、その最後の最後に、オーウラグからのあるメッセージが流れます。私はこれを聞いて、完全に混乱しました。一体何を言っているのか、それが何を意味するのか、まったく理解できなかったからです。奇跡とはいったい何だったのか。オーウラグとは何者だったのか。謎と混乱を残して映画は終わりました。


