Flow
Straume/監督:ギンツ・ジルバロディス/2024年/ラトビア・フランス・ベルギー合作
©Dream Well Studio, Sacrebleu Productions & Take Five.
マスコミ試写で鑑賞。2025年3月14日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開。2025年ゴールデングローブ賞 アニメ映画賞受賞。
あらすじ:ねこがいます。
※ネタバレはありません。
人間が滅びた世界で、ねこが洪水に遭います。
ダイナミックなカメラワークと美しい音楽、豊かな感情表現に目を奪われます。動物らしさを失わない程度の感情表現というか、人間っぽいわけではないんですね。CGの表現って、「超実写」みたいなの、すでに出来るじゃないですか。実写に寄せた絵のリアリティって、それこそもう自由自在に実写を超えられると思うわけです。この映画の場合、そういった「本物らしさ」を「動き」に全振りしていて、とにかく動物の動きがリアルなんです。走る、跳ぶ、恐れる。鳴き、喉を鳴らし、あくびをする。動物しか出てこずナレーションもないので、観客は動物たちの動きや鳴き声から、そこにあるはずの感情を読み取ります。そして彼らを、ある人は自分と重ね合わせ、ある人は自分のペットと重ね合わせるのでしょう。
私はこれはノアの方舟の物語なのかなと思いました。ねこが、いぬ、カピバラ、サル、鳥たちとともに船に乗っていて、洪水がやってくる。古代魚のように見える魚がその巨体をしならせて跳ねる、毎秒毎秒が美しいんです。また、明らかにかつてはそこに人間がいたと思わせる建物や彫刻などのようすが、今はもう失われて長い年月が経ったのだということも伝わってきて、動物だけの世界が宝物のように心に残ります。思いがけず彼らが育む友情、他者を思いやる気持ちなどに溢れた、素晴らしい映画だと思いました。おすすめです。


