不安と憎悪が入り交じって、いっそ期待しています
この記事は2013年に書いた「オズ はじまりの戦い」に対するわたしの気持ちについてぐだぐだ語るよ | 映画感想 * FRAGILEを修正し転載したものです。
以前、「オズの魔法使/わたしがいかにマンチキンランドとティンマンを好きか、ちょっと聞いてくださいよ! – * FRAGILE」という長い文章を書いたことがあります。わたしは『オズの魔法使』が本当に本当に好きで、もちろん『Return to Oz』も『ウィズ』も、駄作扱いの『Under the Rainbow』も好きです。
が、原作は未読、舞台「Wicked」も見ておらず、「オズの魔法使い」(送り仮名がつく方)のファンと言うには浅いのもわかっております。わたしが好きなのは1939年ジュディ・ガーランド主演の「オズの魔法使」であって、「オズの魔法使い」の物語そのものが好きなわけでは、たぶんないんですね。
39年のオズに関しても、有名な作品であるしマニアは山ほどいる、なにかの映画を好きだと言うときに、知識は必ずしも必要というわけではないし、何度見ているかどうかも関係ないとは思います。思いますが、わたしはまだまだヌルいファンだなあとは思っています。
さて、わたしはサム・ライミが好きです。いい監督ですよね、おもしろい映画たくさん撮ってますね。『スペル』最高ですね。『スパイダーマン』シリーズ、良かったですね。ジェームズ・フランコも好きです。『スモーキング・ハイ』のフランコかわいいですね。『127時間』も良かったですね。うまい俳優ですね。そしてわたしはダニー・エルフマンが好きです。わたしは音楽にうといので、どうのこうの書けないですが、好きです。
この3人で新作映画、とだけ言ったらそりゃあもう期待しますね。しますでしょう。しかし。しかしですよ、まさかの『オズの魔法使』プリクエル、ディズニー配給、「『アリス・イン・ワンダーランド』のスタッフが贈る!」のキャッチコピー、予告を初めて見たときのわたしのショックをわかっていただけるでしょうか?
前述のとおりわたしは原作を読んでいません。なので、原作に妖精や陶器の人形が出てくるかどうかは知りません。いっそ今は関係ないです。どうでもいいわ。CGの妖精が出てきた瞬間、いったいこれはなんのつもりなんだ! と気が遠くなりました。オズは戦わねえよ!、とか、フランコが年取ってフランク・モーガンになるかっつったらならねえだろ、とか、そもそもこれ『オズの魔法使』のネタバレじゃないか! とか、大好きなダニー・エルフマンの音楽が手癖感満載でどうなのよ、とか、さまざまなマイナスの感情が身体を駆け巡りましたね。わたしは、この映画が39年のプリクエルでなければ、ここまでショックを受けなかったのでしょう。
そう、リメイクなら良かったのです。それなら『ウィズ』と同じ気持ちで見られたに違いない。『ウィズ』のマンチキンは小人症ではないし、そもそもドロシーが大人だし、マイケル・ジャクソンはうざいキャラになってる、39年のオズとはまったく別物として見られる。たとえドロシー役がクロエ・モレッツだったとしてもね(わたしはいろんな映画がクロエ・モレッツに頼りすぎなんじゃないのかってちょっと苦々しく思っています。クロエ・モレッツは悪くないんだけど……。
その後、1度きり見た予告だけで憎しみを募らせ、それでも見るつもりはあり、酷評する準備はできており、期待はしていないので普段避けているスチルなんかもちょこちょこ見たり、マンチキンランドの小人の数が少ないことにブチ切れ(だってまだワーウィック・デイヴィスさんが生きてるんだしウィロー芸能事務所にどれくらい小人が所属しているか知らないけれども、もうちょっと集められるでしょう!)、悪い魔女の衣装にブチ切れ(ここが怒りの最高潮)、もういっそ早く観たいと試写会に応募しまくっておりました。
そんな折、エメラルド・シティでソファに座っているフランコのスチルを見た瞬間、完全にどうでもよくなってしまい、その後は予告をどれだけ見てもなにも感じない心を手に入れましたね。試写会に落ちたのがヘンにショックで、なんでわたしを当選させないんだよ? とまで思いました。こんなにオズが好きなのに! なんでわたしを当選させないんだよ?!
しかし試写会が終わり公開が近づくにつれてTVスポットが増え、おそらく見どころと思われる映像がバンバン流れるたびにやはり体力を削られて、もう瀕死です。死にそう。わたしが死んだら葬式では「Over the Rainbow」を流してください。そうそう、音楽も不安です。いくらダニー・エルフマンとはいえどもですよ、39年のオズの音楽はほんとうにすばらしいし、せめて竜巻シーンだけでも39年のオズに近づけてほしい。しかし、もしラストで「Over the Rainbow」が流れたらそれはそれで違う。あの曲はジュディ・ガーランドが歌わないと意味がない。ううう。ジュディ・ガーランドが歌ってるのを流されてもキツイ。
もしかしたらディズニー配給だから、これがヒットすればディズニーランドにオズのアトラクションができるのかも? マンチキンランド(もちろん39年の方のな!)をそのまま再現してくれるなら…と思ったり、いやいやそれはないだろう、っていうかディズニーはさあ、プリクエルなんて作らずに『Return to OZ』のBlu-ray出しなさいよバカ! バカ! それかギレルモ・デル・トロ監督で『Return to OZ』のリメイク撮りなさいよ! バカ! ああ、やっぱり、憎い! けど、いったいどんなことになっているのか期待しちゃう! だってライミだもん!
ティム・バートンが何かのインタビューだかで「『アリス・イン・ワンダーランド』は、自分は編集が終わってから観ていない」というようなことを話していました。親しい人からその文章が載っているものをキャプチャで送って見せてもらったので、なんの本に載っていたのかソース出せなくてすみません。ともかく、見ていないと。それで、そのあとに「フランケン・ウィニー」で好き勝手やっている。ということは、もしかしたらサム・ライミも、次はディズニー配給で好き勝手やるのかもしれない、なんてちょっと思ったりする。どうなるんだライミ、次回作期待しています。
本当はこの文章、『オズ はじまりの戦い』が公開されてから(わたしは公開初日の初回に会社休んで見に行く予定です)、その感想の前振りとして書くつもりでいましたが、書いてみたら長くなってしまったので単独記事としてアップします。


