対峙
Mass/監督:フラン・クランツ/2021年/アメリカ
U-NEXTで鑑賞。去年もやった企画「あなたのおすすめ映画、観てレビューします!」です。配信(Amazon Prime Video、U-NEXT)にある映画の中で、「(私の)レビューを読んでみたいな……」とみなさんが思う映画を募って、観て、感想を書くという内容です。
第5弾『対峙』は、みーすけさん(@meechan178)からのリクエストです。
あらすじ:銃乱射事件の被害者家族と加害者家族が話し合います。
この映画も私にとっては『ニトラム/NITRAM』(2021年)や『関心領域』(2023年)と同じで、設定を知らずに観たかった映画でした。でも、あらすじを説明しようと思ったら↑の書き方にしかならないし、こういうあらすじじゃなかったら興味がわかなかったかもしれないんですよね。
※ネタバレしています。注意書きはありません。
高校で銃乱射事件が起きました。多くの生徒が殺され、加害者である少年もその場で命を絶ちます。事件から6年後、子供を失ったことを受け入れられずにいた被害者家族は、ちいさな教会を借りて加害者家族との話し合いの場を設けます。
ぎこちなく始まった対話は次第に熱を帯び、少年らの幼少期の話から事件当時の様子などが浮かび上がっていきます。加害者が、銃を持っているような家庭の子供と仲良くしていたからいけなかっただとか、精神科医の診断がどうだったか、ゲームからの影響があったのではないか、など。私には、加害者家族が必死で自分の子供を正当化しようとしているように見えました。人を殺しているのに、正当化できるわけはないのですが、そこはやはり人の親なので、子供を守りたいんだというのはとてもわかります。
加害者家族は事件直後から批判の目にさらされてきました。悪いのは事件を起こした息子だけであって、家族は関係ないのではないかとも思えてきます。せめて加害者が生きてさえいれば、彼が自分で自分の罪を背負うことになっただろうに、死んでしまったらそうはいかないんですよね。
被害者家族はどうかというと、母親は若干感情的になり、父親は加害者の行動は予測できたはずだと話し始めます。ふたりとも、加害者家族を責めてはいけないことをわかっていながら、どうしても納得のできる答えが見つからず苦悩した結果、加害者家族に罪を被せようとしているように見えます。次第に父親も感情をあらわにするのでした。
一歩引いて観ると、俳優陣の演技対決がすばらしく、徐々に胸の内が明かされていくようすはとても興味深く観られました。ただ、場所が移動しないことによってどうしても単調になりがちな映像にはあまり魅力を感じませんでした。中盤あたりで「これ、最後までこんな感じなのか」と思ったことも事実です。私の好みで言えば、対話する部屋に入るところから始まって、部屋を出て終わりの方が良かったなと思いました。


