ギルバート・グレイプ/親子の愛、家の呪い

人間ドラマ
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ギルバート・グレイプ

What’s Eating Gilbert Grape/監督:ラッセ・ハルストレム/1993年/アメリカ

U-NEXTで鑑賞。20年前に一度観ています。そのときには以下のように書いていました。

レオナルド・ディカプリオが最高。ディカプリオ毛嫌いしてたけどこれは素晴らしいです。しかもこのときこの人はたち前後でしょ? すごいね。ジョニー・デップもめちゃくちゃかっこよかった。というかデップはなにをさせてもたいがいかっこいいのでずるいと思います。トレーラーの列だけが外界との接点で、それ以外はずっとちいさな町の中で家族を背負って過ごしてきたギルバートが、アーニーを殴ったのは、アーニーがいつでも高いところから下を見下ろすことができたからかもしれない。『サイダーハウス・ルール』や『ショコラ』でやってたことと本質的には同じで、基本は家族愛でしょうか。ともすると退屈になりがちな設定ですが、ディカプリオの演技力にかなり救われた、救われたと書くと語弊がある気もしますがとにかくディカプリオがよかったです。

ギルバート・グレイプ(WHAT'S EATING GILBERT GRAPE) | 映画感想 * FRAGILE

バカが書いた感想! なんにもわかってない! それはともかくとして今回の経緯は以下です。

あらすじ:小さな町で家族と暮らしていました。

ネタバレしています。

身動きが取れないほどに太った母親と、重度の知的障害のある弟(レオナルド・ディカプリオ)、そして2人の妹と暮らすギルバート(ジョニー・デップ)は、食品店で働きながら家族の面倒を見ていました。ある日、トレーラーハウスで暮らすベッキー(ジュリエット・ルイス)と出会ったギルバートは、あっという間に仲良くなるのですが……。

改めて見直してみると、日常生活の中でギルバートにかかる負担がものすごく大きくて、もうすぐ18歳になろうというアーニーの入浴介助まで行っているというのは逃げ出したくなるような環境だなと思います。でも本人はそれほどしんどいとは思っていないようす? ヤングケアラーの物語だよなあと思ってちゃんと調べたら、「ヤングケアラー」は18歳未満の子どものことでした。それ以上だと「若者ケアラー」というそうです(あくまで日本ケアラー連盟の定義として。国によって違うみたい)。

◎ヤングケアラー(子どもケアラー)
家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている、18歳未満の子どものことです。ケアが必要な人は、主に、障がいや病気のある親や高齢の祖父母ですが、きょうだいや他の親族の場合もあります。

◎若者ケアラー
18歳~おおむね30歳代までのケアラーを想定しています。ケアの内容は子どもケアラーと同様ですが、ケア責任がより重くなることもあります。若者ケアラーには、子どもケアラーがケアを継続している場合と、18歳を越えてからケアがはじまる場合とがあります。

ヤングケアラープロジェクト

子持ちの人妻(メアリー・スティーンバージェン)との不倫もなんだか雑で、いや、雑というか、だいぶ面倒な人の相手をしているなあと思うし、そんな女とは早く手を切りなよ……とも思うわけです。だいたい、人妻がギルバートを選んだ理由が「この町から出ていかないから」っていうのは人を舐めているにもほどがありませんかね。

他人がギルバートに対して「アーニーから目を離すな」と言うことはとても容易です。他人のことなので押し付けたら終わりだからね。けれどギルバートにも人生があって、好きな場所へ行って誰にも知られずに恋をして、夢を持ち、叶えられず、実家に戻ってくるようなこともあって然るべきだったと思うんです。この映画の設定でギルバートがアーニーといくつ離れているのかはわかりませんでしたが、ともかく、こんなに若いのに夢もなく家に縛り付けられているのは、愛でもなんでもないように思えてしまいました。ギルバートの友人らはささやかながらも夢があったり人生をどうやっていくか考えたりしているのに。ギルバートが生命保険にも入っていないことで、彼の、将来に対する認識が「その程度」なのだなと思ったりもね。もしくは知らなかったか。自分の人生を、多少は自分で決められるんだということを。うーん、「知らなかった」のほうが自然かなあ。

家族が暮らす家は、彼らの父親が建てました。そしてその地下室で、彼らの父親は首つり自殺をしました。そのことがあってから母親は過食症になり、人目を避けるようになりました。家の土台が傷んでグラグラになっているというのはとってもわかりやすい比喩だなあと思います。ここで選択肢が2つになって、①土台だけ修理する ②壊して建て直す なわけですけど(そしておそらく映画の見栄え的には、一旦壊して建て直すのがドラマチックだと思うけど)、ギルバートは、③燃やす を選ぶんですよね。全焼させて、そのあと建て直したのかはわからないという。やればできるじゃない! それくらい思い切ったことができるんなら、この先の人生も自分の道を歩くことができるかもしれないなと思いました。おもしろかったです。

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