エディントンへようこそ/新型コロナと陰謀論

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エディントンへようこそ

Eddington/監督:アリ・アスター/2025年/アメリカ

マスコミ試写で鑑賞。2025年12月12日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開。

あらすじ:市長に立候補します。

ネタバレはありません。

2020年、ニューメキシコの小さな町エディントン。コロナ禍で人びとのストレスは溜まりに溜まっていました。保安官のジョー(ホアキン・フェニックス)は、現市長のテッド(ペドロ・パスカル)との間で、マスクをする/しないで小競り合いになります。そこでジョーは、何故か唐突に市長へ立候補すると言い出します。

家では妻のルイーズ(エマ・ストーン)とルイーズの母が陰謀論にハマっており、心休まる場所がどこにもないジョー。果たして、ジョーはマスクなしでこの戦いを生き抜けるのでしょうか。

2020年がすでに5年(もうすぐ6年!)前だと思うと、コロナ禍は本当に私たちの人生から貴重な時間を奪っていったなと思います。この映画では2020年5月に起きたアフリカ系アメリカ人の黒人男性ジョージ・フロイドが警察官に殺害された事件についても触れられ、コロナ禍とBLM運動、SNSなどが絡んだ、個人の問題から社会的な問題までに言及したものでした。

アリ・アスター監督作については『ヘレディタリー/継承』(2018年)以前の短編もだいたい観ていると思います。『ボーはおそれている』(2023年)のみ未見です。アリ・アスターを追ってみて思うのは、今までは個人の問題や心の動きが主にフォーカスされていたように思えるのですが、今作はそうではないなというところです。『ミッドサマー』(2019年)はホルガ村の伝統的な生活に触れた結果、ダニーが解放される話だったので、まあまあ社会的ではあるんですが、今作は対象がもっと広いというか。

架空の小さな町・エディントンの住人たちがSNSを使って町のことを全世界に発信しており、登場人物たちのほとんどはいつもSNSやメッセージアプリに夢中で(大事な話をしているときにもこっそりスマホをチェックしていて、奇妙に見えるのですが、それがリアルだったりする)、それらが複雑に絡みあった結果、文字通り炎上するあたりはなんともシニカルだなと思いました。過激なカルト系YouTuber(オースティン・バトラー)は恐ろしくセクシーでカリスマ性に満ちており、食えない男だなと思ったりね。だってこの人、なにかすごく大きいことを言っていてすごく頼もしく見えるけど、何を言っているのかまったくわからなくて。中身がぜんぜんないんです。でもなぜか人を救おうと(何から?)しているのがとても面白かったですね。

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