米国マジカル・ニグロ協会
The American Society of Magical Negroes/監督:コビー・リビー/2024年/アメリカ
U-NEXTで鑑賞。タイトルとキャスト(ジャスティス・スミス)に惹かれて観ました。配信は2025年なのかもしれないですが、はっきりといつからだったのかわからないので、旧作扱いにしています。私はこういうところにこだわりがあります。
あらすじ:マジカル・ニグロは現実にもいるよ。
※ネタバレしています。
売れないアーティストのアレン(ジャスティス・スミス)は、ある日の夜、たまたま関わった白人から泥棒と勘違いされそうになります。そこへ通りかかったロジャー(デヴィッド・アラン・グリア)に助けられ、ある組織へ誘われるのでした。
いちおう、「マジカル・ニグロ」の説明が簡単に書かれた記事があったので引用します。
米映画界で文化的意識の高い批評家から、けなされること必至の人物設定がある──「マジカル・ニグロ(Magical Negro)」という白人の主人公を助けるためだけに登場する黒人のキャラクターだ。(略)「マジカル・ニグロ」は白人のメインキャラクターを助けるために、自らが持っている古くからの知恵や神秘的な力を差し出す。そして、時には天使の格好さえしている。
「マジカル・ニグロ」、米ハリウッド映画に見る人種差別問題 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News
米国マジカル・ニグロ協会の仕事は、白人の不安を取り除いて世界を平和にすること。この映画、ロッテン・トマトではこの有り様です。

The American Society of Magical Negroes | Rotten Tomatoes
私は普段あまり他人の評価はチェックしないのですが、この映画は日本語での情報が少なくていろいろ調べていたところ↑が出てきて、あー、まー、ね。と思いました。アイデアは面白いんだけど、アレンの置かれる状況は、逆らえない人のケアをし近づいてはいけない人を好きになってしまう簡単な三角関係で、結局凡百のラブロマンスといった印象を強く与えるだけのものになっているからです。せっかく黒人差別問題にメスを入れたのに、問題提起をする前段階でビビってしまったのかなと、ちょっと思いました。
ですが、アレンが大事なプレゼンをぶち壊して「成長」する、長セリフのシーンはとても良かったです。監督はビビったわけではないんですよね、ごめんなさいね。この映画のテーマや監督の考えについて直接主人公が語るという、ごくわかりやすい形で提示したわけです。これは、やんわり言ったりほのめかしたりというやり方では絶対にこちらを理解しない、理解しようとすらしない相手に対して通用するかというとわかりませんが、ともかく、言いたいことはぜんぶ言った、というシーンでした。これくらいのインパクトを他のシーンでも感じられたら良かったのになと思いましたが、そうすると今度は過剰になって、バランスが難しいのかもしれません。
この映画のことを調べたら、サジェストで「『米国マジカル・ニグロ協会』は『ハリー・ポッター』の黒人版ですか?」という質問が出てきて笑っちゃいました。ロッテン・トマトでの評価は低いですが、私は好きですね。いびつなところもまた愛嬌というか。同じアイデアでスパイク・リー監督が撮ったらどうなっただろうね。


