今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は
She Taught Me Serendipity/監督:大九明子/2024年/日本
Amazonプライムビデオで鑑賞。公開時に話題になっていたので気になってはいました。お笑いコンビ「ジャルジャル」の福徳秀介が2020年に発表した恋愛小説の映画化です。髪型によるところがとても大きいけれど、主人公の見た目は福徳秀介にだいぶ寄せてますよね……。
あらすじ:気の合う女子大生に出会いました。
※ネタバレしています。
冴えない大学生、小西徹(萩原利久)は、ある日、お団子ヘアの女子大生、桜田花(河合優実)と知り合います。
相手が自分にはないセンスを持っていて、それについて好意的に話すことができたりとか、自分にはない知識を持っていて、それについて好意的に話すことができたりとか、そういうのを価値観が近いと言うのかなと思ったりもします。人を好きになるとき、腕に筋肉がついているとか、デートのときは絶対おごってくれるとか、おいしいお店を知っているとか、そんなことはどうでもいいです。同じ映画が好きとか、犬派か猫派かとか、年が上とか下とか、どうでもいいことでばかり相手を選り好みして、それで幸せになれるならそれでもいいけど。
最初のほう、あんまり私はぴんときていなくて、でもSNSであんなに絶賛されているんだから何かドーンと来るんだろうなとは思っていました。それか、大学生の話はもう自分には合わないかのどっちかだろうなあって。で、中盤にある8分くらいある長いシーンで、あーこれねー、って思いました、これでしょ? みんなー! これでしょ?! さっちゃん(伊東蒼)の演技は実に洗練されており、あんなに長いシーンをダレさせず一気に「自分」に集中させる力が素晴らしいですね。本当にかわいかった。本当にかわいそうだった。このシーンまでにはあまり感じられなかった、大学生くらいの子の恋愛に対する解像度が爆上がりして、見え方がガラッと変わったので、すごいです。
中盤を過ぎると良いシーンが連続して来るので、一気に集中して観られるなと思いました。犬のマネするところは観てはいけないものを観たような気持ちになったけどね。私は人を殺すことで話を進めるのがあまり好きではありませんが、この物語で死を避けることはできず、さすがにこれに文句を言うのはお門違いだと思います。私がね、ちょっと、え……それはさすがに都合が……って思ったので。思ったけど、死の描き方が慎重に行われており、物語上都合が良いから人が死ぬというわけではないということと、ちゃんとそれがわかる描き方だったので良かったなと思います。


