レッド・バージン
The Red Virgin/La virgen roja/監督:パウラ・オルティス/2024年/アメリカ・スペイン合作
Amazonプライムビデオで鑑賞。映画ライターのISOさん(@iso_zin_)がおすすめとして挙げていらしたので観ました。
レッド・バージン
あらすじ:母親の思い通りに育て上げられます。
※ネタバレしています。注意書きはありません。
1930年代のスペイン。母親によって先進的な女性になるべく育て上げられたイルデガルトは、16歳で女性の性の専門家になります。
思ったことは2つあって、ひとつは「東方天 乙統女様じゃん……」ということで、これは別にいいです。思っただけなので。
もうひとつは、イルデガルトが母親に背いたときの母親の行動がほんとうに意外で、想像していたより底意地が悪いというか、何が一番「効く」か知ってる感じがしてね、これは怖いです。イルデガルトが死ぬことは最初のシーンで明示されており、まあまあ殺すのは母親なんだろうな……ということも途中、銃を手に入れたあたりで察しがつくわけですが、怖いのはそこではなくて。大声を出したり暴力をふるったりではないやり方で母親はイルデガルトに「復讐」をするんですよね。
16歳と言ったらまだまだ子供じゃないですか。イルデガルトは母親から徹底的に男性を憎むような思想を叩き込まれていますが、母親のコピーではないので、出会った男性と恋をするわけです。イルデガルトには反抗期がなかったのかな? っていうくらい彼女は母親の言う通りに生きてきたので、16歳でこうなるというのは私の感覚からだと遅いのですが……。
実話をベースにした物語で、ラストに実際の写真が出ます。霊柩車って普通黒いんだけど、周りの人が真っ黒な格好をしているのに霊柩車は真っ白なんですよね。これは単純にかっこよかった、絵としてかっこよかったです。
この映画の感想ではなくて実際の事件の話が読みたいなと思って調べたら、専修大学のサイトにPDFがありました。
ヒルデガルトとアウローラ・ロドリゲス・カルバジェイラ – 専修大学学術機関リポジトリ
アウローラの裁判では精神異常があるかどうかが争点となったが、結局、有罪判決が出てアウローラは収監された。その後、1936年7月の内戦勃発の混乱のさなかに彼女の消息は途絶えてしまったとされていた。しかし実際にはアウローラは1935 年末にマドリッド南方のシエンポスエロスにある精神病院に移送され、そこでアラ・サイス(Ara Sais 真実の祭壇という意味)と名前を変えて詩を書いたりした。精神病院の中で再びファランスティエールを作ろうとした。猫に愛情を注いでいたがその猫が死んでしまうと布で人形を作り始めた。アウローラの人形への執着はずっと続き、ついに勃起した性器を持った等身大の男性の人形を作るまでになった。アウローラは1955年末、シエンポスエロス精神病院で生涯を終えた。
映画ではイルデガルトの葬列までしか描かれず、母親がどうなったかはわからないんですが、こういう結末だったとは……。これを読むと、母親だけでなく、イルデガルトが実際はどのような人物だったのかなどがわかるのでおすすめです。


