ローズ・イン・タイドランド
Tideland/監督:テリー・ギリアム/2005年/イギリス・カナダ合作
この記事は2006年に書いたローズ・イン・タイドランド(TIDELAND)/少女はいつだって、誰にも守られず生きていけるのです。 | 映画感想 * FRAGILEを修正し転載したものです。
原作を読んでから見ました。原作を読んだときには映像が見えるようだったので、映画化にはむいているのかな。トレーラーや広告などから受ける印象とまったく違うものだったので、賛否両論ありそうです。もっとおしゃれっぽいものを期待していた人が多かったのではないでしょうか。わたしももし原作を読んでいなかったら、そういう印象を抱いていたかもしれません。
あらすじ:不思議なことが起こります。
※ネタバレしています。
世間一般的にまともな人が一切出てこないです。だから登場人物に感情移入することはなかなかに難しいのではないでしょうか。
ローズの毒々しい少女らしさは、少女に対して「無垢」を求める人にとって、生理的に受け付けられないものであるのかもしれません。けれど、わたしは、少女というものは本来、無垢なものではないと思っています。残酷で嘘もつき、異性に対する興味と勘違いを抱き、他に対してあからさまな関心と無関心を表す、えげつない生き物です。そんなグロテスクなものを内に秘めて少女は成長し、いずれ大人の女になったとき、かつての自分をなんとかして美化するために、少女時代を捏造していくのではないでしょうか。
ローズ役のジョデル・フェルランドは、ほんとうに髪の毛の1本1本までかわいらしくて、おそらく、きれいな服を着せられてにこにこと黙って座っていたら、(ありきたりな表現ですが)人形のようだろうと思います。そんな「美しい」彼女は、暗い妄想に浸り、自分の思うままに行動し、他人を嫌悪し、そして愛し、誰にも操作されない意志の強さを持っています。それはローズが特別な子だから、というわけではないのでしょう。
少女はいつだって、誰にも守られず生きていけるのです。たったひとりでも。

