アバウト・タイム ~愛おしい時間について~/きみが生きるこの瞬間は、僕が望んだ理想の時間

SF
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アバウト・タイム ~愛おしい時間について~

ABOUT TIME/監督:リチャード・カーティス/2013年/イギリス

この記事は2014年に書いたアバウト・タイム ~愛おしい時間について~/あなたとずっと、居たいから | 映画感想 * FRAGILEに加筆修正し転載したものです。

TOHOシネマズ六本木ヒルズスクリーン7、G-25で鑑賞。『ラブ・アクチュアリー』が好きなのと、タイムトラベルものということで気になっていたところ、好きそうだから是非とおすすめされたので見に行きました。

あらすじ:過去に戻れます。

ネタバレしています。注意書きはありません。

平凡で少し変わった家族を持つティム(ドーナル・グリーソン)は、21歳になったある日、父親(ビル・ナイ)から、一族の男たちにはタイムトラベル能力があることを知らされ……。

タイムトラベル、タイムループものは『バタフライ・エフェクト』の登場により、いかにあの劇場公開版エンドを回避するか(あれと同じオチにしないか)っていうところをいじわるな感じに見ちゃうんですけれども(最近だと『オール・ユー・ニード・イズ・キル』が途中に組み込んで回避してましたね)、『アバウト・タイム』は、そもそもそういう映画ではなかった! というところで、自分の浅はかさに、ほんとごめんなさいリチャード・カーティス。相手に会わない、を最初の方にやっちゃう、ここからどうやって彼女と知り合って行くかっていうのを何度もがんばるのかと思っていたら、そういう映画でもなかった! ほんとごめんなさいリチャード・カーティス

個性の描き方がうまいなあと思いますね。俳優の演技にかなり支えられている部分もありつつ、特に妹ちゃん(リディア・ウィルソン)がね、明るくて奔放な感じの子なのに、目が据わっているんですよね。叔父さん(リチャード・コーデリー)も良かったなあ。ファッションがいいよね。そう、衣装は全体的にとても良かったと思います。

主人公は、そのキャラクターそのものには強烈な個性はないんだけど、こういう話ですから、観客に寄せるというか、あまり激しくしすぎないものですからね。導入部分の「うちは変な家庭でさ、同じこと繰り返すんだよね」っていうのが、ラストに効いてきてるなと思います。穏やかな日常を過ごすことに生きる喜びがあり、毎日を幸せに暮らすわけです、いつか終わりが来るとしても。築きあげてきた日々は、自分の記憶であり人生です。

お父さんはきっと、いろいろなことを何度もやり直したんだろうね、主人公と同じように。そして最終的に望んだものは、緩やかに死を待ちながら、愛する家族との時間を過ごすことだった。この世界にはお父さんとティムと、2つの時間軸があって、かつ、それらは交差している。現実でも、「わたしの時間」と「誰かの時間」はそれぞれに存在し、わたしたちがたまたま出会って交差することで、それぞれの人生が少なからず変わっていくものだと思うのです。

タイムトラベルものとして、設定上不可解な部分はあります。「ある時点」から過去に戻り、過去を変更してから、どのようにして「ある時点」に戻るのか、というところですね。お父さんの説明では「未来には行けない」とのことでしたので……。もしかしてわたしが見逃していただけで、「ある時点」から過去へ戻ったら、その「ある時点」までは、また時間を飛ばせるという説明がされていたんでしょうか。そう受け取っておいた方が、もやもやが残らないので、そういうことにします。

また、妹を連れて過去へ行けるのも謎ですけれども、これは、お父さんがそういうことが出来るって知らなかった(ので、息子にも言わなかった、もしくは、知っていたが言うべきでないと思った)っていうふうに受け取ろうかと思います。コミカルさのバランスもちょうどよいですし、かと思えばギョッとするようなシーンがあったり(妹ちゃんよ……)、人命に対する捉え方の不思議な感じ(あの息子の命とは……とか、保険としてもう一人子供を作るっていう発想とは……?)も面白かったですね。良い映画でした。

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