息子と呼ぶ日まで
監督:黒川鮎美/2024年/日本
マスコミ試写で鑑賞。公開は2024年11月1日。約25分の短編映画です。クラウドファンディングやっていたんですね。
あらすじ:トランスジェンダー男性が父親に会います。
※ネタバレはありません。
不動産会社で働く翔太(合田貴将)はトランスジェンダー男性です。なお、演じている合田貴将さんはトランスジェンダー当事者を対象にしたオーディションで抜擢されました。自然な演技が良いですね。
翔太はパートナーの絵美とともに、穏やかな日常を過ごしています。ところが……。
私は予告でわかる以上のことと、映画.comの解説に書いてある内容以上のことをネタバレとして扱っています。本編を観終わってから予告を観て映画.comの解説を読んだのですが、色々と思うところはありました。色々の中に含まれているのは、描きたりなさです。まあこれは短編なので仕方ないとも思います。
今はもう、そういう人はだいぶ減っていると思いたいのですが、以前は「ゲイやレズビアンは新宿二丁目にしかいない」と思いこんでいる人が多くいたと感じています。そんなこと絶対にないのに。よその世界の人物として目をそらしたり、テレビに出ている「毒舌オカマキャラ」みたいな人を(「オカマ」って本当に書きたくないんですが、かつてそう呼ばれる人たちがいたことは事実なので許してください)おもしろコンテンツとして消費するばかりで。トランスジェンダー女性・トランスジェンダー男性は「男女どちらの気持ちもわかる」とか言う人もいました。挙句の果てには「ゲイの友だちが欲しい」と言い出す奴とか、私はとても軽蔑しています。なんで個人を見ないんだろうと。
この映画について強く感じたのは「思っていた以上に世界が優しかったな」ということです。父親から認められず病気だと言われ、高いホルモン注射を打ち、絵美とのあいだに子どもを作ることは出来ず、今の法律では絵美と結婚もできない。偏見や差別を受け、それでも自分は自分である、という心を持って「普通の」社会で生きることについての物語……なのですが、これ、ある意味で理想の形なんですよね。監督の理想が描かれているのかなと思います。ネタバレ出来ないので誤解をまねく書き方になってしまいました。ここで誤解をまねかないよう丁寧に掘り下げて書くのが私の役目だとは思うんです。試写で観せていただいているんですから。ああ、力量が足りない。精進します。


