成功したオタク
Fanatic/監督:オ・セヨン/2021年/韓国
U-NEXTで鑑賞。公開時、とても気になっていたけれど劇場で見逃したので。U-NEXTでは10月31日までの配信のようです。映画の内容はともかくとして、撮影があんまり良くなく、人物にピントが合っていなかったりするのがちょっと気になりましたね。
あらすじ:推しが逮捕されました。
※ネタバレしています。注意書きはありません。
チョン・ジュニョンというK-POPスターのファンだった、監督のオ・セヨンは、推しである彼が性加害で逮捕されたことをきっかけに、カメラを回し始めました。
オ・セヨンはチョン・ジュニョンに認知され、テレビ共演もしています。しかし、彼が犯罪者になったことでファンをやめてしまいました。ところが彼女は、事件後でもまだ彼のファンのままだ、という人たちがいることを知ります。オ・セヨンは、自分と同じようにスターの犯罪で傷ついたファンに話を聞くことにします。
ちょうど昨日あたりに、「アイドル復帰に猛反対」→“300基以上の葬式の花”でファン抗議し人気アイドルがグループ脱退 「もはや集団いじめ」「やりすぎでは」と物議【韓国】(ねとらぼ) – Yahoo!ニュースという記事が出ていました。私はこのことをTikTokで知り、ずらりと並ぶ謹弔花輪に圧倒されました。ここまでやるのは、異常なのではないかと。でもこの映画を観て、謹弔花輪を送ったファンは「自分たちは被害者であり人生を壊された」と感じているのかもしれない、と思いました。だからって、こういう嫌がらせをすることを良いとは思えませんが……。
さまざまな人びとの意見を聞いたオ・セヨンは、ひとつの結論に至ります。犯罪を犯した元芸能人に対して「自責の念に苦しみながら、目立たないところで反省して欲しい。そして、死なないで欲しい」ということ。私にはそれが、かつて好きだった人への最大で最後の愛情のように思えました。
私はヒプノシスマイクの2.5次元舞台のファンです。一目惚れをしたキャラクターがいて、勢いで俳優のファンクラブに入りました。ファンクラブ限定配信を初めて観たとき、彼は「(今見ている人の中に)30歳以上の人がいたらごめん」と言いました。文章で書くとさほどでもありませんが、ニュアンスとしては「年がいったファンなんて、ここにはいないよね」みたいな感じに聞こえてしまいました。それでサッと熱が冷め、ファンクラブも退会してしまったんです。
舞台を観ているときはその人のことをかっこいいと思うし、喉が強いし(私は喉が強い俳優が好きみたい)、ダンスも素敵だと思います。でもこの人はエイジハラスメント的な発言をするんだ、と思い出し、愛憎が渦巻いて少し苦しみました。結局私は、「舞台に立っているときの、キャラクターを演じているときの彼が好きなのであって、彼自身のことが好きなわけではない」と気づいて、楽になりました。今はその俳優自身に対する興味がなくなり、繰り返し、彼が出ている、彼がキャラクターとして生きているBlu-rayを観ています。また、彼以外にも好きな俳優、というかキャラクターが出来たので、心は安らかになりました。ヒプステ、いいよ。
前述の俳優の、ほんの些細な一言、別に悪気もなかったかもしれない一言で私はガッツリ傷ついたので、もし、好きなキャラクターを演じている俳優が性犯罪なんかを起こしてしまったとしたら、どうなってしまうのか自分でも想像がつきません。だから、今のヒプステに関わっている人たち、スタッフも含めたすべての人たちは、すこやかに成長して欲しい、そんなふうに思っています。こういうのを、母親ヅラと言って嫌う芸能人がいるのも、なんとなくわかります。でも内心の自由はあるじゃないですか。いま書いちゃったので、内心ではなくなったけれど。


