THE END(ジ・エンド)/すべてを奪われ、すべてを与えられた子供たちに

ディストピア
この記事は約4分で読めます。

THE END(ジ・エンド)

The End/監督:ジョシュア・オッペンハイマー/2024年/デンマーク・ドイツ・アイルランド・イタリア・イギリス・スウェーデン・アメリカ合作
©Felix Dickinson courtesy NEON

マスコミ試写で鑑賞。公開は2025年12月12日です。

アクト・オブ・キリング』(2012年)でアカデミー賞にノミネートされたジョシュア・オッペンハイマー監督の新作です。私は『アクト・オブ・キリング』は怖くて観ていないです。

あらすじ:一家で豪華な暮らしをしています。

ネタバレはありません。

この映画はポスト・アポカリプス映画でミュージカルです。歌の部分に関してはクラシックだなと思いました。音楽は綺麗でしたが、あんまり攻めている感じはしないです。設定がだいぶ攻めているので、歌はこれくらいのほうが良いと思います。

環境破壊のため人間が地球上に住めなくなって25年。豪華な邸宅で終末前の日常生活を続けている一家がいました。ある日彼らは、一人の女性(モーゼス・イングラム)を見つけます。家族を失いひとりきりになった彼女を家に住まわせることになりましたが、母(ティルダ・スウィントン)はそのことがどうも気に入らないようす。

家の中で産まれ育った息子(ジョージ・マッケイ)は、外の世界をまったく知りません。彼は、母親と父親(マイケル・シャノン)、執事や医師たちから守られて生きているように思えます。空を知らず海を知らず、風も雨も知らない息子を、親たちは閉ざされた世界でほとんど自分たちの言いなりにして育て上げたわけです。実際、息子はとても美しく素直な良い子供として育ったように思えます。もちろん多少は両親に対して反抗的な態度を取りますが、それでもかなり従順な方だと思いました。

母親は少々情緒不安定なところのある人物で、壁にかけられた絵のわずかなバランスにこだわり、息子に対して過剰とも思える干渉をする、特別な人物ではないなと思います。そこには、美しすぎることもなく、エキセントリックすぎることもない母親の姿がありました。ティルダ・スウィントンが演じているので、特別に美しい人物(あるいはその逆)であるように見えてしまいますが、彼女も嘘をつき感情をあらわにし、苛立って他人の悪口をいうような、ありきたりな人間です。

外の世界から突然現れた女性が、一家に何かしらの影響を与えることは確実です。彼女は大きな哀しみと後悔とともに在り、自分を責めています。彼女は自分がとった行動を罪とみなしており、そのつらさを吐露します。それが赦しを求めているかのように聞こえたのか、または別の理由からか、一家の中で彼女の存在がある意味での重荷になっていくように見えました。外で暮らしていた経験がある家族たちにもそれぞれ、過去に犯した罪やついてしまった嘘、自分が生き延びるために切り捨てたものがあり、それをみんなずっと表に出さないようにしてきたためかと思います。

こう書いてみると結構普遍的な物語のように思えるし、ともすれば退屈になりそうなところも歌唱シーンがあるためにリズムが生まれていて面白いなと思いました。ジョシュア・オッペンハイマーは最初、旧ソ連の軍事施設を改造して終末後のシェルターを建設しているチェコ共和国の起業家についてのドキュメンタリーを制作しようと考えており、取材後に、実際に終末が訪れたあとの世界を描いたほうが面白いと思って、ドキュメンタリーからフィクションへ変えたそうです。ネットに記事があったりするかなと思ってざっと検索したら2015年の記事がありました。

豪華な設備には、自然光を再現した地下庭園、スパ、プール、映画館、図書館、その他のレジャー施設が含まれます。オフィスと会議室に加え、医療・外科施設と備品も備えています。貴重品や個人の美術コレクションを保管するための専用金庫も設計されます。(略)
オッピドゥムの立地は、その安全性の基盤となっています。チェコ共和国は中央ヨーロッパに位置し、山々に囲まれています。他の国や組織からの攻撃を受けることはありません。世界で起こり得る紛争は、チェコ共和国を回避し、少なくとも後になってから発生する可能性が高いため、オッピドゥムの所有者は敷地内に到着し、準備を整えることができます。この秘密施設の建設は、冷戦の真っ只中であった1984年、当時のチェコスロバキア政府とソビエト連邦政府による機密共同事業として開始されました。建設は1984年から1994年にかけて行われましたが、当時も世界情勢の不安定化と大量破壊兵器の可能性が現実のものとなっていました。そして今も同じです。(※機械翻訳です)
Inside The World's Largest Private Apocalypse Shelter, The Oppidum (New Images)

タイトルとURLをコピーしました