花緑青が明ける日に
A NEW DAWN/監督:四宮義俊/2026年/日本・フランス合作
マスコミ試写で鑑賞。公開は2026年3月6日です。第76回ベルリン国際映画祭コンペティション部門正式出品。
あらすじ:花火を上げたい。
※ネタバレはありません。
立ち退きを迫られている老舗の花火工場。蒸発した父の代わりに、幻の花火・シュハリを上げようとしていた帯刀敬太郎(声:萩原利久)は、幼馴染のカオル(声:古川琴音)と、兄である千太郎(声:入野自由)とともに、ある計画を実行します。
映像表現はとても美しいと思いました。自分にはないはずの郷愁をかき立てられる感じもあります。メインとなる花火工場の、塩で錆びたかんじや海辺の風景、光の扱いなども印象深いです。私は海のない県で育ったこともあって、海の存在そのものがイベントだったので、画面に海が出てくるだけで少し気持ちが上がるところがあります。また、本作のキーカラーとして使われている緑青は、私がいちばん好きな色で、見ていて自然と目線がいきました。これは単純に好みの話ではありますが、本当にきれいな色だと思うんですよね。
この映画を観て一番、現代っぽいなと感じたのは、登場人物たちがお互いに恋愛感情を持たないことでした。カオルの露出度がそれほど高くない(脚は出していますが、トップスは大きめで肌をかなり隠しています)ところも私は良かったと思います。
とても丁寧に作られていることはよく伝わってきますし、監督が2016年からこの作品に取り掛かっていたと知ると、思い入れの強さも感じます。ただ、少しわかりにくさが残る構成でもあるな、という印象はありました。特に時間経過については、いつ何が起きたのか把握しづらかったです。真剣に観ていたので見落としたわけでもないはずですが……。


