プロジェクト・ヘイル・メアリー/宇宙でたった、ふたりきり

SF
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プロジェクト・ヘイル・メアリー

Project Hail Mary/監督:フィル・ロード、クリストファー・ミラー/2026年/アメリカ

新宿ピカデリー シアター3 F-22で鑑賞。予告をずっと回避していたのに、何かの映画を劇場で観たとき、それと知らずに「へえ〜ライアン・ゴズリングが出るSF映画来るのか〜おもしろそ!」って思ったらそれが『プロジェクト・ヘイル・メアリー』だったことがあります。仕方ないね。でもそれ以外はずっと回避してきたので、とにかく公開直後に観ておかないとネタバレを踏むな、と思って慌てて観てきました。

あらすじ:地球が滅びそうなのでなんとかします。

ネタバレしています。

原因不明の異常事態に、中学教師が挑みます。

すごい既視感があって、なんだろう? と思っていましたが、2016年『オデッセイ』と同じ脚本家で同じ原作者なんですね。人から聞いてはいたものの、実際に観てみるとあまりにも似ているというか、いや、話が似ているとかではなくて? うーん? まあ似ていると言えないこともないけど、とにかく、徹底して「天才ではなく秀才」を描く人なのかなと思いました。天才ではなく秀才であるがゆえに、秀才同士では話が通じちゃうっていうの。『オデッセイ』も、地球にいる秀才と火星にいる秀才が、お互いが何を言わんとするかを考えて行動するという話ですよね。

プロジェクト・ヘイル・メアリー』も、秀才同士が(ロッキーはちょっとポンコツみのある描写になっていたけど)なんとか意思の疎通をはかろうとする物語であるなと思いました。私はこういう設定がすごく好きみたい。誰かとわかりあうのに、言語の壁を取り払ったとしても、生活習慣や思考の癖、文化の違いや生態の違い、選ぶ言葉を一個間違ったら殺されるかもしれないという恐怖までもがあるうえで、それでも相手に近づこうとする思い、寄り添おうとする努力は実に美しくあります。

後半は困惑するほど泣きました、だってさー、そりゃ泣くよ。ロッキーが、単純にいいヤツというわけでもないところとか、グレースもけっこうはっきりとロッキーに対する不満を口にするあたりとかとても良かったです。考えてみれば同じ人間どうしでも、わかりあったり協力し合ったりということが難しい場面もありますよね。相手が異星人だったらなおのことです。それにしても、人間や動物とはかけ離れた造型のロッキーを見ていて、可愛らしさを感じるのって面白いですね。ポケモンにこういうのいませんでしたか? ところで、公式アカウントが「ネタバレを知りたくない人はミュートして」とまで言っていた「ネタバレ」は、ロッキーがヒトガタでなくカニの半身みたいな岩だ、というところだったのでしょうか?

それから、これは考えすぎかもしれませんが、主人公の名前が「Grace」なの、とてもいいなって。

先日、エイリアンものの映画を観たときに思ったことがあります。エイリアンが出てくる映画として世に出すということは、『E.T.』(1982年)みたいに可愛らしいエイリアンが出てくる作品や、そのものずばり『エイリアン』(1979年)のように恐ろしい存在として出演させる作品、『未知との遭遇』(1977年)のようにラストの決断を印象的に描いた作品などと、同じ土俵に立つことになると思うんです。だから、適当なことは許されないんじゃないかなと思っていて。『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は明確に『未知との遭遇』のオマージュがあったくらいなので、そのあたりの覚悟はされているんだろうなと思いました。おすすめです。

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