聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア
The Killing of a Sacred Deer/監督:ヨルゴス・ランティモス/2017年/イギリス・アイルランド合作
U-NEXTで鑑賞。以前から、観ないとな……と思っていましたが、伝え聞くところによるとだいぶ難解らしいので避けてしまっていましたね。みんなバリー・コーガンがスパゲッティ食べるシーンの話しかしないし。
今度の3連休に観る映画を決めてほしいです
— ナイトウミノワ (@minowa_) August 3, 2025
あらすじ:幸せな家族が崩壊します。
※ネタバレしています。
心臓外科医のスティーブン(コリン・ファレル)は、美しい妻アナ(ニコール・キッドマン)と2人の子供とで幸せに暮らしていました。スティーブンにはもうひとり、頻繁に会っている少年マーティン(バリー・コーガン)がいました。マーティンの父親はスティーブンの患者でした。
この映画の奇妙なところは、始まってすぐにわかると思います。最初私はスティーブンとマーティンが親子なのかと思い、それがどうやら違うぞとわかって、スティーブンがマーティンに高級そうに見える時計を贈るあたりでは、彼らの間にはなにか性的な秘密があるのかと勘ぐっていました。そしてそれもどうやら違うぞ、と、これはマーティンからスティーブンへの復讐だとわかったあたりで、読み解くことを諦めました。たぶんこれは、観ていればわかる映画だと思いました。が、この映画の監督はヨルゴス・ランティモスで、ランティモスがスッキリわかりやすい映画を撮るタイプか、というとそうではないので、よし、考察は誰かに任せよう、と思って、ただ観ることだけに焦点を合わせたというわけです。
マーティンは第一印象のよいストーカーで、最初は気さくな感じなんですが、だんだん「あれ、この人、距離感おかしくない?」となるタイプの、たまにいる人です。いるよね。距離感バグっている人。
マーティンの行動はある種動物的なところがあり、例えばスティーブンを家に招いたくせに眠いからと言って先に寝てしまうところとか……と、ここまで書いて自分の間違いに気づきましたので舵を切ります。スティーブンを家に招いて、映画を観ている途中で先に寝に行ってしまうんですよね。ここは最初、とても奇妙な行動だと思いましたが、自分の母親とスティーブンが不適切な関係になることを望んでか、あるいはお膳立てしてか……これはたぶんお膳立てしたという方が正しそうな感じがします……ともかく、父親を死なせた男と自分の母親がセックスすることを望んでいる上に場所を提供したわけです。頭がおかしいのか?
どうにも解せないのは、子供たちの脚が麻痺して歩けなくなり、弟ちゃんは目から血を流し始めてしまうところで、脚についてはまったく何も異常が見られないのに症状だけ出ている状態ということです。例えばマーティンが子供たちの点滴になにかを混ぜているといった短いカット等が入っていれば簡単な話ですが、異物混入等の可能性については、よそから医師を招いてまでして検査しているため現実的ではないですよね。この映画を奇妙な映画にしている大部分の理由は、マーティンがどういうふうに子供たちの身体を変容させたかという点に尽きるかと思います。スティーブンがロシアンルーレットをやる理由もよくわからないので、そのあたりも混ぜていただいて。これわかんないよ。
というわけで、この映画を読み解くことは大変むずかしく、かといって映画で描かれていない部分に答えがあるような作品を私は好まないため、どこかのタイミングで「正解」が明示的に描写されていることを願いたいと思います。この映画を完全に説明できる方がいらしたら教えて下さい。


