彼の見つめる先に/僕と彼女と、彼と僕

ラブロマンス
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彼の見つめる先に

Hoje Eu Quero Voltar Sozinho/監督:ダニエル・ヒベイロ/2014年/ブラジル

Amazonプライムビデオで鑑賞。誰かに勧められてウォッチリストに入れていたのが、もうすぐ配信終了になるので慌てて観ました。

あらすじ:目が見えません。

ネタバレしています。注意書きはありません。

生まれつき目が見えないレオ(ジュレルメ・ロボ)は、若干過保護な両親と祖母、幼馴染の女の子ジョヴァンナ(テス・アモリン)に支えられ、学校に通っています。ある日、転校生のガブリエル(ファビオ・アウディ)がやってきます。彼はレオが盲目であることをからかったりせず、一緒に勉強したり映画を観に行ったりしています。そうやって、レオとジョヴァンナ、ガブリエルの3人は自然と仲良くなっていくのですが……。


青春ですね。愛に満たない恋だったり、他人から見られる自分の姿だったり、親離れしたがったり、行ったことのない国へ思いを馳せたりする、青春です。レオは交換留学を望んでいますが、両親は認めてくれません。ひとりでの留守番すら許されていないのに、外国なんてとんでもない、というわけです。レオが交換留学したがっているのは自分のことを知らない人ばかりのところに行きたいという思いからであって、家という籠の中から大空へ飛び立って行きたい、というだけの(だけの、と言うとレオの気持ちを矮小化しているようにも読めてしまうのですが)現実味を帯びない憧れなんだと思います。

レオとジョヴァンナはいつも一緒に行動しており、彼らの仲は誰にも引き裂けないように思えます。そこへガブリエルがやってきたことにより、3人の気持ちが交錯し始める、というのが大まかなあらすじです。レオは一部のクラスメイトから日常的に陰湿ないじめを受けていて、ジョヴァンナ以外に味方がいないように見えました。映画の中で描かれていた範囲内では、1人の女子が以前レオにちょっかいをかけていた(いじめていたのではなく、すり寄っているというのが適切なかんじ)、という設定はありました。その女子、カリーナだったかな、彼女はだいぶ男好きっぽく、ガブリエルに対してもやはりすり寄っています。ジョヴァンナはそんな彼女のことがあんまり好きじゃないみたい。

ジョヴァンナは明らかにレオに対して恋愛感情があるように見えます。意地悪な考え方をすると、レオが家の外で安心して頼れる人はジョヴァンナしかいないわけで、言ってしまえばレオを独占できていたんですよね。でもその状態を崩すのがガブリエルだったということです。よくあるかんじの三角関係になるのかなと思いきや、ジョヴァンナがやきもきしている間にレオはガブリエルに夢中になっていきました。

上の方に、「愛に満たない恋」と書きましたが、いろいろあってレオとジョヴァンナの関係が元通りになりそうになったとき、レオは彼女に対して「ガブリエルを愛している」とカミングアウトするんです。この映画は使われる言語が英語ではないため、レオが正確にどう言ったのかはわかりかねますが、ともかく、ゲイであることを打ち明けます。

レオにとっておそらくガブリエルは初恋の相手で、肉体的な接触もガブリエルが初めてだったようです。ジョヴァンナとガブリエルは(お互いそれに気づいていなかったけれど)レオを取り合っていたんだなと私は思いました。でも3人とも自分の気持ちのことでいっぱいいっぱいだったし、相手を見ているというより自分を見ていたのかなと、自分はどうしたいか、どうやって生きたいか、やりたいことはなにか、考えることがたくさんありすぎて。でも、最終的には丸く収まってハッピーエンド、という、本当に優しい映画でした。ただ、いじめをするクラスメイトはまったく反省しないし、なんならラストまでしつこくいじめてくるので、訴えられろ! と思いました。

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