プリシラ/長いドレスを引きずって

人間ドラマ
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プリシラ

The Adventures of Priscilla, Queen of the Desert/監督:ステファン・エリオット/1994年/オーストラリア

この記事は2011年に書いたプリシラ/長いドレスを引きずって | 映画感想 * FRAGILEを修正し転載したものです。

2000年あたりに1度見ています。そのときは、「最初のシーンで泣きそうになった。ドラァグクイーン映画は真面目になりがちよね」って書いてました。見返してみると、冒頭からなんでもないシーンまでずっと泣いてしまってどうにもならず、そしてなぜ泣くのかまったくわからないのでした。感情移入とかじゃないんだよね。

あらすじ:3人のドラァグクイーンが砂漠を旅します。

ネタバレしています。

最年長のバーナデット(テレンス・スタンプ)はトランスジェンダーです。ミッチ(ヒューゴ・ウィーヴィング)はバイセクシャル、フェリシア(ガイ・ピアース)は若くて脳天気。今思えばすごい豪華だね、ゾッド将軍とエージェント・スミスと『メメント』。ちょいちょい挟まれるショーのシーンが豪華。アカデミー衣裳デザイン賞受賞。キャラクターもすごくいいです。

真っ赤な土地と真っ青な空の間に、ギラギラのドレスをまとったドラァグクイーンという対比が素晴らしくてですね、私はドラァグクイーンがすごく好きなので、これだけでもうグッとくる。

都会から離れていくにつれ、街の人たちは保守的になるため、3人が歩いていたりバーに入ったりすると化け物扱いされるんですね。それでも切り抜けていくのだけれど、鉱山にある町だけはダメだった。都会は住みにくいと思っていた、でも田舎に来てみたらもっと大変だった。自分たちを守ってくれる喧騒のない場所で、お互いと向き合い、自分と向き合い、そして愛する人を見つけるわけです。

最初に見たとき、ミッチの子供、ベンジー(マーク・ホルムズ)がちょっと理解ありすぎるんじゃないかと思ったんです。でもこれって、ミッチみたいな人、バイセクシャルで子持ちって結構いると思うんですけれど、こういう人にとっての理想なんじゃないかと思ったんです、理想だったら、理解がありすぎてもいいんじゃないかと。もっと対象を広げて単にゲイというだけでもいいんだけど。一番理解してくれなさそうな人が、すんなりと理解を示してくれているばかりか、そこになんの疑問も持っていない。恐れることはない、ごまかすことも、嘘をつくこともない、無理をして自分を偽る必要がない……。本来なら当たり前のことを、理想として描かねばならない悲しさも、あります。

ショーのシーンはどれも最高に素晴らしくって、やっぱりね、ドラァグクイーンの出てくる映画はショーが命ですよ。テレンス・スタンプが他の2人からワンテンポ遅れて踊るのが、優雅でもありちょっと滑稽でもあってほんとうにかわいらしい。私はドラァグクイーンが好き、そういう私の好みを、差別していると受け取られても、これはしかたがないかなあ。なにも反論できないですよ。わかんない。

母親に、「あんた、黒人俳優好きって言うけど、それも差別だからね!」って言われたことがあって、なんか、好きって言うのも差別なの? それとも母は「黒人」ってとこに反応したのかな。「差別だって思う人がいればそれは差別です」とも言うじゃないですか。うーん。私はこれからも女装映画とかゲイ映画とかについて感想書くとき、脳天気に好きだって言いますけれど、私には差別しているつもりはないってことだけは、わかってほしいです。せめて。好きって言うのも封じられたら、ほんとどうしていいかわからんよ……。差別ってなんなの……。差別のばか……。

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